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ともだち

今日でぴったり1年で、私にとってはけっこう大きな節目でして、
君と別れた日は今日と違って晴れてたな。

あの日から変わった私は、今じゃコンクリをローファーで叩いてる。
君はさくらじゃないものを見ていると信じているよ。

バスも乗れるよ。作り笑いも上手くなったよ。
でも、涙脆くなっちゃってさ、まいっちゃうよね。

尖った風が丸くなって、春風を私にも運んできて、
どこからの風か、君からの風かと、尋ねてみても君の香りは芳わない。

星なんて見えやしないと言われたこの都会、見えないわけでは無いみたい。
ただ、唯一見えないものは君だけなんだよ。笑ってよ。

あの日から変わったつもりだったのに、未だに歌を間違えるし。
君はもう、間違えたりしないんだろうな。

人混みだって歩ける、コンクリの上でも歩ける。
それでも体はやっぱりボロボロだよ。笑っちゃうよね。

大きな声で叫べなくなって、春風に連れて行かれそうさ。
どんなに君の名を叫んでも届かない歌を、
やっぱり私は間違える。

青い空は私に自由を、暗い雲は罪の重さを教える。
涙を流して「綺麗だ」とだれかが言った、それが救いだ。

作り笑いが上手になっても、ローファーを上手く鳴らせても
人混みで肩をぶつけて涙を流しボロボロになったとしても、
私だって、私だって、私なりに歌えるよ。歌えるよ。

立ち止まった時が私の記憶と私の声を、動かしてる。
どんなに間違っても、きっと君に届いて、
君は笑ってくれるはず。

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クラス替え。

今日珍しい電車を見たよ。ライン追加もしてない君に見せたくなったよ。
君はいつも私の目の前で笑ってて、先生に怒られても揺らがずに、
そんな君が私だけに接すると自意識過剰になってたかもな。
別に好きじゃないよ。好きじゃないよ………。

ねぇ、あの子がね、君のこと好きなんだって。
もう、1年間も片想いだって。すごいよね。
このクラスもおわっちゃうからさ、あと3日以内に告白されるかもね。
そういえばさ、君もあの子が好きだって、
言ってるウワサを小耳にはさんだよ。よかったね。
両想いになったらさ、もう、その呼び方で話しかけてくれることもないのかな。
それはちょっぴり淋しいな。

私に似てると言った動物の消ゴム。めんどくさかったけど、嫌じゃなかった。
君はいつも笑っているから、周りの目をうばってしまうみたいだ。
私と話してる時、あの子の目も君に向いてたの、私はずっと気付いていた。
そいつは私を見ていた。私を見ていた。

ねぇ。あの子もね、君のことが好きなんだって。
今日君の明日の予定を聞いていたからさ、
付き合ってるってウワサされてたよ。本当に付き合っているのかな。
そういえばさ、君は彼女がほしいとか、冗談まじりに言っていたらしいじゃない。おめでとう。
でも、君は好きな子がいるって言っていたよね。もし、彼女ができても、笑っててくれるかな。

ねぇ。君ってさ、とても好かれるよね。あの子も、あの子も君が好きとか、すごいよね。
このクラスも今日で終わったから、私は平和に過ごしたかったけどさ、
際どいこと言う君が、嫌いだ。
だけど、君のおかげで、1年間楽しかったことも事実だから、
君に大切な人ができて、私のことをその呼び方で呼ばなくなっちゃったとしたら、
やっぱりそれは淋しいな。