妄想デート。
よく晴れた夏の夜、高原のキャンプ場。
夏とはいえ日が落ちれば寒くなる。
二人は身を寄せあって、眺める空には満天の星。
天の川は想像していたよりずっと雄大で、目を凝らせば微かで仄かな瞬きがびっしりと無数に詰まっているのがわかる。
都会の熱帯夜からは見えない星が多すぎて、星座を探そうにもどの星とどの星を繋いでいいのかわからない君は、困った顔で笑う。
僕はおもむろにその手を取って、君の指先を一つの星へ向ける。ちゃんと君に見えるように、視線が揃うように、頬が触れるまで顔を寄せる。
「あれが琴座のベガ。織姫星。」
天の川を渡ればアルタイル。デネブと繋げば夏の大三角。デネブの白鳥座は大きな十字の形。
そうやって、一つひとつ星を繋げていって、夜空に星座絵を描いていく。夜が更ける程に、秋や冬の星座も姿を現す。
「あ、流れ星。」
綺麗な夜空には沢山流れ星が見える。僕らの願いも、きっと僕らの願いも叶う。
そんなロマンチックな夜が明けて、朝日の中で微睡む二人。
あああああちくしょう座禅組って寂しいなあ!!!!