冷えた空気 君の体温 シーツの衣摺れ 重く ゆるやかな 静寂 君の囁き声 紅く熱い 心臓 温度をなくした 私の手 君の気配 遠のく意識 唇に触れた 何か それが何か 知ろうとはしない
人肥ゆる秋
当たり前のようにアイスコーヒーを買って ホットのミルクティーにすればよかったと 後悔してしまうような風 残った氷を噛む気には なれなかった
悔しい悔しい悔しい 届くと思ったものに手が届かないことが こんなにも遠いことが 苦しかった何もできない自分が いつも弱い自分が 悔しかった 苦しかった 強くなりたかった 強く 優しい人になりたかった
金木犀が香りだす また貴方の右手が恋しくなる いつもカサカサに乾燥してて あたたかい その熱を忘れたくない なんて思っていたら いつまでも いつまでも私の中に残っている 困ったな いつまでも 貴方を忘れることができない イヤホンから聞こえる調べは哀愁漂うものばかりで 柄でもなくノスタルジーってやつに浸って いつからか お腹なんかもう空かなくなったよ けど 今日もあなたのいない世界で生きていかなきゃ いけないから コンビニおにぎりの最後の一口を放り込んだ
百万回の I love you.と たった一度の愛してる どっちの方がいい?
好き 嫌い スキ キライ すき..... きらい........ もうそんなことやめて その摘んだ花一輪もって つべこべ言わずに 大好きな人に会いに行けばいい
誰か私を嫌ってほど褒めちぎってくれよ 誰か一人くらい思いっきり甘やかしてくれよ もう 泣いてしまいそうなんだよ
人に別れを告げない世界 別れが多すぎるが故に、悲しくならぬように苦しくならぬように、最後の姿に縋らぬように さよならだと分かっていようと 大切な人ほど別れを告げずに去っていく あなたが私を忘れますように できるだけ悲しくなりませんように 願わくは生きて 生きていて いやだ 彼の後ろ姿はこの身を焼き切るにはあまりに十分すぎた さよならも言わないあなたが 泣くこともできないわたしに 唇にあたたかいものが触れた それが 初めての別れの痛みだった
かなしくて いいから 今だけ ごめんね 切なくて いいから お願い このままで