たとえば 学生の頃、好きだった女の子が 自分の冗談で笑ってくれたこととか 3年生になってから入った野球部で 初めて打ったタイムリーヒットとか 数え切れないほどされた恋愛相談に 自分がどれくらい解とか愛とか 探してあげられたかとか 帰りの電車でどうしてか流れた涙とか そんな青春の1ページの それもその切れ端みたいなのを いつまでも覚えていたりするんだろうか
揺れない君の洗濯ものを 眺めながら夏の夕暮れ いま君が誰のベッドで寝ていても なにも思えない僕は病気ですか?
朝、眩暈を起こしそうな坂の途中で 振り向きざまに笑顔のおはよう 歯痒さに負けてうまく笑えない あくびのわたしとねぐせのあなた 帰りはならんで歩きたい やっぱり、ここにくるひとは一味違う。
きみが冷たくなっていた この夏の河原の向こう側 裸足で迎えに行こうとすると 足の裏から綺麗に切れた 醒めない夢とたかを括って 迎えに行けないなら向こうに行こうと 木で括るの鼻じゃなくて首のほうで 夢か現か足元に溜まった水溜まり 映ったそっちの景色は綺麗で 幸せそうなきみの水遊び そろそろ干上がる頃かもな 来年も飽きずにまたくるかもな
なんで人は「考える」ということを知ってしまったのだろうか
仏様ってのは案外 人間のことが嫌いなのかもね たかだか108の煩悩も許せないなんて ひとの許せないところなんて せいぜい一つか二つでしょ 全くの完璧を求め過ぎるのかもね 自分みたいな完全無欠をさ 神様くらいゆるくていいのに 女神さまくらい愛してくれたらいいのに
君がぶつかった壁は 君だけのものじゃないかもしれない それでも君の登り方で 君だけの乗り越え方で 壁を超えていけばいい 問題はその解き方にこそ 個性が光るってものなんだから
繋がらないで 私とあなた 繋がったら ちぎれるとき痛いから 怖がって こっちから切っちゃうの 冬のドアノブに触ったみたいに 切ない相手の顔をみて バツが悪いの 触らないでとは言えなくて 乱暴に突き飛ばしたのが 自分で自分を見ていられなかった
夏が終わったら 夏の初めに戻って やり直したいから はじめての人間は 高くつくと聞いたから 買ってくださいと言ってるけど 指名制だったからね さようならと 名刺を渡す。
人を信頼出来ないから ちょっとの事で不安になる 考え過ぎかもしれない 怖いんだ 失うのが だから、なくす前に 自ら線を引く これ以上近づき過ぎてはいけない 人と距離を置く 私に親友が出来ない理由。