LOST MEMORIES CⅦⅩⅧ
望はくすりと笑みを溢す。
「さっきより険しい顔になったね。
……急に言われても困るだろうなって思ったんだけど、止められなかった。」
頬を少しかく。
「どう想っているか知ってもらいたかっただけなんだ。だから、返事はいらない。むしろ、ここで返事を引き出してショックを受けたくないからね。」
保守的でしょ?攻撃型なのに,そう言って笑った。
望の目が真剣な色を帯びる。
「それ以上に、共有者として、仲間として、同士として、瑛瑠さんと信頼関係を築きたいんだ。」
「……それは、私もです。」
それがひとつの終止符となる。風の優しい音を共に聴きながら、ふたりは特に何を話すわけでもなく歩いた。
そして、T字路に出る。