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ヒッピーに届け

「だらだらと長い文章にテキトウにピリオド打つみたいに、そんな風に、馬鹿みたいに人生終わっちまうのかな」
嫌に青い空は少しチープに見えた。

ソーロング・ソーロング
また君に会えるには
ソーロング
かなり長い時間がかかりそう。


僕らいつも、笑い合ったり、喧嘩したりして過ごしたけれど。
2年前の殴り合いで、君の全てがわかったんだ。

ソーロング・ソーロング
また君に会えるには
ソーロング
かなり長い時間がかかりそう。


さよならも中途半端なまま、別れたことが悔いだけど。きっと、向こうでも君はヒッピー。会いに行く頃、僕はおじいちゃん。

ソーロング・ソーロング
また君に会えるには
ソーロング
かなり長い時間がかかりそう。


握りしめた拳は行き場なく太ももに当たった。最初で最後の手紙は、上手く書けなかったから白紙のままさ。

ソーロング・ソーロング
また君に会えるには
ソーロング
かなり長い時間がかかりそう。


さよならヒッピー。僕たちはいつだってひとりだったね。
寄り添った時だけは何にも負けない。そんな気もしてた。

僕らはまるでヒッピーズ。
傷をつけたりつけられたり。
楽しかったね、またやろう。
煙草の匂いが雨にかき消される。
届け天国のヒッピーへ。

ソーロング・ソーロング
また君に会えるには
ソーロング
かなり長い時間がかかりそう。


晴れた日には煙草を吸う。
天国の君に届くように。
雨にかき消されないように。
晴れた日には煙草を吸う。

きっと君は線香の煙より
マルボロの煙の方が好きだろう。
僕らは大人になってしまったんだ

君は向こうできっとまだヒッピー。

君は向こうできっとまだヒッピー。

届け天国のヒッピーへ

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マッドソング

荒波に揉みくちゃにされて、色褪せちまった青い春よ。
希望を捨て、絶望を失い。「これで良かった」と無理に頷く少年よ。

さして変わらない日々を笑って、涙すら出てこないだなんて、一種の死にすら当てはまるだろう。


午前12時を優に超えて、思考を巡らす複雑回路。
時間ばかり貪っていて、活用しないで消化される日々よ。

さして意味なんて無いのに、諦め切れない呼吸をするんだ。1度も止められなくて、嫌になるけど。


マッド、サッド、殺到
雑踏&BAD
節度喪失、嗚咽NON STOP
相当マッド、サッド、殺到
SELECT&CUT
戦意喪失はとうの昔
向上化も図れない。



剥がれ落ちた金メッキを拾い集めるMr.Pよ。
本日未明、波形の不幸で隠してた傷みが見え隠れしてしまった。


そして、つまらないままで変わってく。先は真っ黒じゃなくモザイク。一時の快楽なんて目を塞ぐだけさ。


泥濘んだ足元、ただ見つめてた。
「前を向いて」なんてよく言えるな。
ファズをかけたまま3日過ごした。
ディストーション サディスファクション
サーキュレーションも当たらない。
胸騒ぎが爆発、論理的思考は暴徒化。
複雑怪奇不幸の説明書をおくれ。
空を掻き切って、古ぼけたストーリーを描く。


マッド、サッド、殺到
雑踏&BAD
節度喪失、嗚咽NON STOP
相当マッド、サッド、殺到
SELECT&CUT
戦意喪失はとうの昔
向上化も図れない。


窓辺の蛙、まずまずのしたり顔で俺を眺めてはゲコゲコと鳴いた。張り付いた思考と常識が、雨に濡れ剥がれかけている。

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AIUEO

「汚いねぇ人間は」
「そういうお前も人間のくせに」
「考え方によっちゃ、俺は人間じゃない」
「は?」
「例えば俺は嘘をつかない」
「でもお前は飯を食う」
「俺は服を着てない」
「でも体毛で覆われてない」
「それに何より、大切なことがわかってる」
「大切なことしかわかってないんだ。無駄こそ美学なのに」
「じゃあいまテレビで流れてる嘘と無駄ばっかりの国会中継は美しいか?」
「…ううん」
「まぁ、とにかく俺は人間じゃない」
「でも、人と人の間に生まれたんだろ」
「まぁそうだな」
「なら人間だろ」
「いいや、人間じゃない」
「…あっそ」


「黙るのは得策かもな。見てみろ、テレビの中のおじさんもさっきから同じこと言ってばかりで結局黙り込みと同じだ、これなら真実はわからないまんま、やり過ごせる」
「強情な嘘つきは人間と認めないことにしただけだよ」
「強情な嘘つき?俺は汚職議員かよ」
「汚職議員も人間とは認めないことにした」
「随分とアヴァンギャルドな思想だ」
「それより、さっき言ってた大切なことってなに?」
「あいうえおの音だ」
「は?」
「当たり前に使ってる(あいうえお)って音だよ、あれがなくちゃ何も生まれない」
「なんだよ、そんなことか」
「そんなこともわからなかったお前は立派な人間だな」
「人間…か」


僕は人間であることを一瞬恥じた。だが、向かいに座った全裸の男を見て、こうはなりたくないと強く思った。
時計が鳴った。12時だ。


「それじゃ、おやすみ人間くん」
「まだ昼だぞ?」
「昼寝の時間だ。人間と違って俺は昼も寝る」
「あっそ…。あ、そうだ」
「なんだ?」
「名前を聞いてなかった、お前名前は?」
「人間じゃないから名前は無いな」
「なんて呼べばいい?」
「じゃあストライプで」
「なんだよそれ」
「なんでもいいだろ」
「あっそ。それじゃ、おやすみストライプ」

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綿菓子

 雪国の山奥、新聞紙の蚊帳の中、妹は隣で寝てゐる。トクトクと血液の流れる音。

 ごめんねタツミ、お母さんまたお酒飲んじゃったあ。
 ごめんねタツミ、お母さんまたパチンコ行っちゃったあ。
 ごめんねタツミ、晩ご飯ないんだあ。
 ほんとにごめんねぇ。

 枕元の時計を見た。村祭りの始まる時間だった。僕は一日、本を読んでゐたかったが、妹に綿菓子をせがまれてゐたから、しぶしぶ布団を出た。
 ミツコを中心とした派手なグループが、ステージの前でわいわいやってゐた。ミツコのふたつ上の彼氏のバンドが、演奏するのを見に来たのだった。
 ミツコは綿菓子を買ってゐる僕を見つけて、近づいて来た。
「ひとくちちょうだい」
 ミツコが言った。僕はそういった不衛生なことは嫌だったのだが、ミツコは勝手に袋を開け、手を突っ込み、綿菓子をちぎった。白いふわふわが、口の中に消えた。ミツコはマニキュアを塗った指を舐めると、グループに戻った。バンドの演奏が始まった。僕はステージに背を向け、帰路についた。
 布団で折り紙をしてゐた妹に、綿菓子の袋を渡すと、妹はすぐに袋を開けた形跡があるのに気づき、「お兄ちゃん、つまみ食いしたでしょう」と、からかうように言った。
「うるさい。買って来てやったんだから文句言うな」
 僕は思わず怒鳴ってしまった。妹はびくっとなり、泣きそうな顔をして布団にもぐり込んだ。僕は放っておいた。泣くふりをして僕を驚かせてから笑顔を見せるといういたずらを最近好んでやっていたからだ。布団が大きく、上下した。
 やや間があって、ぜんそくの発作が始まった。僕は、「ごめんな。ごめんな」と言いながら、妹の背中をさすった。