こういうのを一般的にハッピーエンドなんて言うのでしょう
気持ちの良いくらいの快晴です。
澄んだ空気の少し寒い日。だのに、
どうして彼は傘を持っているのだろう。
どう考えても雨なんて降らない。
風もそう言っている。
気になる。
決意に近いものを勇気で形作った私は、ベンチに座ってじっと一点を見つめる傘を持った彼へ近付く。
声をかけようとして、やめた。
彼は、待っていた。
涙でいっぱいの女の子を。
覚えていてくれたんだ.
泣いているのに嬉しそうな女の子
約束は守るよ.
泣きそうなのに優しさでいっぱいの彼
もう少しそこに居れば、傘の持つ意味もわかったのかもしれないのだけれど、それはそれで野暮な気がいたしましたので、私は何も言わずに尻尾をぴんとたて、今日も人間に愛でられに行くのです。
いい日になる気がするにゃあ、なんて 言ってみたりして。