君の何気ない言葉が 僕を明日へ連れてきたこと 君は知らないんだろう それでいいんだ
「お久しぶりです」 一挙手一投足に舞う振袖の君が言うそれは “大人になったよ”という合言葉だ。 「綺麗だね」 僕はわざと返さなかった。 君が少し照れる仕草。化粧の奥に見えるその目は5年前と変わらぬあどけなさを覗かせる。 「…髪いいねそれ」 照れながらもそう言える君はやっぱり大人だね。 「染めた、似合ってる?」 今の僕はこれが精一杯だ。 もうちょっと大人になって今度は僕の意志で逢いに行くんだ。そして会って言うんだ。 「お久しぶりです」 それが僕なりの…
あどけないまま 大人と定められ 幼さを隠しきれない 頬と口紅 跳ねた前髪 浮わついた表情 背中を押されて 足が前に出た
寒くなってきたから ココアが美味しく感じるね 寒くなってきたから 部屋があたたかく感じるね 寒くなってきたから 誰かを恋しく感じたよ あなたを恋しく感じたよ
嫌われたくないな ちゃんとしなきゃ いつも、間違い探し でも正解ってなんだろ どうしたら生きる意味を見つけられる? きっと、答えはない 知ってるつもり 見つけたつもり ずっと、迷子の女の子
またね、日曜日 お久しぶり、月曜日 週に一度のお友だち
気が付いたらトンネルの中だった 誰もいないし、すごく寒い 独りでいるくらいなら。消えてしまおう 気が付いたらトンネルの外だった 人がいる、それだけであたたかい もう独りじゃないなら、続けられるだろうか 長い道を
春が舞う 僕は 夏が弾ける 僕は 秋が散る 僕は 冬が積もる 僕は 何もできずに僕は
幼い自分が 知ることの無かった痛みが 高い紅い秋の空に 舞って散る
君が僕なら 駆けつけるのにと 思う自分が酷く、浅ましい