目指すもの 馳せるもの 今はまだ違う住所のベランダ 「綺麗ですね」と独り言 いつか隣どうし そんな遠回りな言葉ではなく
誘蛾灯の安心に触れて 散っていく哀れな走光性 やり直せないと知って 尚ももう一度と助走をする今日が 時報をもって無情に羽を燃やす 君は正 僕は負 ゆっくりと闇へ向かう優雅さよ
最大瞬間風速的な君の振舞いと この時代の波のせいで 思ったより前に進んでしまった
枯れ葉の舟 淋しさをふりほどく手が推進力 液晶から滲んだ光が 癒す夜だってある 映しだすものは何だっていい 深海から見上げた舟底 僕にはもがいてるように見える みなもに浮かぶ月を やさしく掬う聖者の手 諦めの言葉がほんの少し 夜を短くしてくれるさ
オムレツの中 二度寝の朝 太腿に浅いユメを挟んで ケチャップで描かれた ダイイング♡メッセージ 愛してる? 愛してよ? 粒の荒い湯気がのぼる
磨りガラスの向こう 死んだふりした夏が ザラザラと閃光花火 心此処に在らずな夜 お月さまのサーチライト 見透かされて蟹と兎 帳の縫い目を解いて 現れた普遍性の向う ずんだれた価値観を 裾上げしてあげよう
息がし辛いのは 口を塞がれてるから? 心が塞いでいるから? すれ違ったサラリーマンが 残した匂いが煙たいので 空を仰いだら夜だった ほらみんな流星だよ 俯いた交差点 誰も気づかない ほらみんな雪だよ こんな奇跡にも 誰も気づけない 黙々となんばしよっと 顔上げて、 新鮮な空気を吸おうぜベイベ
夏が終わってほっとしてる 今年もダメでしたって撫で下ろしてる 大人になっても変わらない ボロボロのタオルケットみたい 言い訳は鮮やかに落ち葉になって 前に進めない行進は ひたすらにそれを踏み鳴らす ついてくる何歳になっても 見つけられるその度に 逃げ道探して季節が変わる
開けられないビンの蓋 ジャムになつてゃう心の像 焼きたてトーストに 塗りたくって、頬ばって 下唇にだらしなく垂らして ぬぐう人差し指は 今日からジャムぬぐい指と命名
去年の花火は知っている 君じゃない誰かと結んだ約束 去年の花火は知っている 闇に灯ったふたりの距離 しけった花火が照らす 白状で浅はかな恋心