つまった鼻が すーっと通るような 雨の前の風 書きかけの手紙は その雨で滲ませればいい 「届けたい言葉」とか 口では立派だけど ようするに抱きしめたい 単純な欲求だよな 毛布をかけるみたいに わたしを思い出して 水を飲むように ぼくを見つけ出して 天気雨みたいにイタズラな 滴りまくってるBMG
ミルクティーに足りないのは 甘ったれたキュビズムで 君を見下す視点の僕のロマンと 僕を見上げる君の自然現象 手あかまみれの愛の言葉で 塗りたくった 極彩色スーパーナチュラル
月が落とした四分音符を ぷかあと夜空にふかしたら 浮かんだケムリに巻かれた星が 瞬くのをやめたげな
月のハミングひとつで この夜は反重力 明日の雨の予報 それは偏頭痛の予告 小さな錠剤に偉大なる敬意を 蹴り上げた寝巻き 垂れながせ溜め息 つまった排水溝に 月のフフフン
夏の開会宣言みたいな 祝砲めいた雷が鳴って 部屋に根をはった蛸足配線 ひとつ残らずショートした 画面の青に鯨を放て きつく縛った心を許せ 幻も愛し続ければ いつかは触れられるさ
水色を頬っぺたにつけた きみが笑った 背中に回して隠した気持ち 気づかないフリは有罪かい 薄めすぎた青は ふたりの背景 窮屈な額縁には似合わない 一筆描きの名画になる
きみの溜め息を吸って わたしの肺は汚れたよ これは迷惑条例違反です 黒くなった身体は いつか病気になるかもね 慰めてほしいって顔 やめてくれるかい 付き合いきれない不幸自慢 きみの溜め息を吸って わたしの肺は汚れたよ わたし的には無期懲役 二度と顔も見たくもない なんてね
君の出てこない日記を 図書館に寄贈したい 数世紀後に生まれ変わって 手に取ったわたしは鼻で笑うのだ
人影もない放送局 喋らないラジオと焦燥 傷は癒えぬまま朝は来る ざーざーとよく喋る それを聴いて笑ってる 君もきっとクセになる 雨音のMHz
ひまわり畑が風を象って ふたりを包んで消えてった 三角屋根の教会まで走った 息が切れても笑ってた 定期の裏にしまった写真は 今の僕には眩しすぎる 繭に隠れて生きていたい 飛べない羽は質屋に売りたい 風はビルに吸い込まれ 歩くだけで息は切れて 思い出に呪われて、今日も元気です。