私を好きなフローリング 抱きしめて離さない 大事な温度を独り占め 冷たい肌に寄せては返す 気怠い波に揺られてる 知らない髪の毛気になるけど 次の重力で瞼は落ちる
春の悪あがきを愛でていたい 希釈した幸せをできるだけ長く 寝過ごした街灯が咳をする そっくりな猫背がなんか嫌 潔く 帰路につく 都合良く 運ばれる この憂鬱に病名がつく暦へと
短い季節に袖をとおす 少し肌寒いのは日陰のせい まんざらでもない愛情の力 振り向いた先に誰かが笑ってる 消えかけの飛行機雲だ まるで僕らの道しるべ 強くあろうとか思わないし 強くなろうとも思わない 柔らかい手首はいつだって 剥きだしのまま働いているのさ
スカートのギザギザと 月明かりが噛み合って夜は動く 電子音は届かない 窓を少し開けたら 街が広がった 会話より大事な沈黙 でも悲しいときは雄弁でいて 埋め立て地は いつまでも光ってる 猫の目が4つ いつまでも光ってる
波風立たない温室で ご立派な帆は溜め息に揺れる こしらえた夢は一丁前 金曜日が来て安堵してる 生き抜いた生き抜いた 水が入ってきて驚いた 広い海だって平気なこと 今はまだ知らなくていいね 何でもない月曜日より 嵐の夜に怯えていたい
君みたいな人が どんな人を好きになるの 絵画や偉人の世界だ 全くもって不可解だ 雷みたいな 根っこみたいな ひび割れた隙間に染みこむ水 みたいな人が君 どんな人を愛してきたの 猫をなでる その所作を是非
丁寧な言葉の君より 裏アカの君と話がしたい
歪んだ大気と揺れるみなも その狭間に立って 至って普通を演じている 皺くちゃになった月が 輝くのを辞めないように 私もまだ、 ぎりぎりで自分を信じている
きみはわるもの あなたはいいひと こんな簡単なこと なんでなやむの
思ってたのと違う 好きだった絵本は そうでもなかった そんな的外れな 例え話 傷ついたガラスが光を吸って 屈折した大人になった 好きだった横顔は そうでもなかった 良い人ぶった報いかな ねえ、夕日で燃えてるみたいだよ 地獄は意外と春かもな