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さかた校長へ

一夜明けて、もしかして昨日のことは夢だったんじゃないか?と思い掲示板をふと覗いてみました。

やっぱり夢じゃなかったんですね。

私はさかた校長が就任すると同時にこの学校に帰ってきました。もう10代じゃありません。大人になっちゃいました。

やっぱりさかた校長ってすごいな。この掲示板を見ただけでもこんなに10代の子達に慕われてるのが分かる。ありがとうって、大好きだよって言葉がいっぱい。
そんな大人他にいます?私もこんな大人にならなくちゃなって素直に思います。

校長も教頭も子供っぽいとこのある人。2人でいる時はなんだか兄弟みたいで。弟みたいにはしゃぐ教頭といつもお兄ちゃんみたいに優しく笑って語りかけてた校長。兄弟みたいな掛け合いが心地良かった。
そっかぁ、この2人のラジオもう聴けないのか。大好きだったのにな。

大人っていろいろありますよね。人に言えないことばっかり。でも、抱え込むばかりじゃ辛いからたまにはこの掲示板にでもこっそり帰ってきて悩みぶつけちゃいましょうよ。変なラジオネームとかつけてさ。こもり教頭に涙流しながら悩み読んでもらいましょうよ。大人でもそのぐらいはしてもいいですよ。ね、こもり教頭?

いっぱい笑って、時には泣いて、そして結構スベってたさかた校長。ありがとう、大好きだよ。

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小説みたいなホントの話

「今日こそはあの子に想いを伝えよう」
そう決心して参加したとある飲み会。
かなり酔いが回ったあの子を送り届けるって口実で家まで二人で帰ることになった。

その日は台風が近づいていて大雨と強風吹き荒れる悪天候。
傘が壊れちゃって困ってる僕に「入る?」って君が言ってくれた。
二人きりの相合い傘。僕は思い切って伝えた。

「好き」

少し恥ずかしそうに頷く彼女を見て、僕はこの傘のように大雨だろうと槍だろうとこの子を守り抜こうと決めた。

二人の思い出はいつも大雨だった。

初めて手を繋いだあの日も
張り切ってお弁当を用意してくれたピクニックも
大好きなアーティストが来た真夏の野外ライブも

「特別な日はいつも大雨だね」って二人で笑い飛ばしてた。

あれからしばらく経った冬のあの日。
その日は季節外れの大雨だった。大雨は嫌いじゃない。でも少し嫌な予感がした。

「別れよう」

そう告げられた。予感が当たった。
一度決めたら絶対に曲げない彼女の性格を僕は知っているから、僕には頷くことしか出来なかった。

特別な日はいつも大雨。
雨か涙か分からないぐらいびしょ濡れになりながら、僕は彼女に差し出していた傘をそっと下ろした。

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