わたしは右腕を掻き毟って 心身を必死に落ち着かせて 今をずっと生きてるんだよ 戻れない過去を振りかえり 起こらない未来に思い馳せ 泣きながらでも生きてんの
カチカチカチリチリリ 火を点けてはすぐ消す 料理のためではなくて まして火遊びでもない ただ燃えたらいいのに そう思っちゃっただけ きみとのすべての記憶 ウシガエルに似てるね カチカチカチリチリリ 何度聴いても解らない きみの感性が好きだよ
「なるちゃんの彼女だ」 って言われたときの複雑 わたしは勿論嬉しいけど わたしの為でしかなくて またあなたに迷惑かけた 勝手に依存して執着して 周りだけガッチリ固めて 中心に位置するあなたは ずっとドロドロのまんま
今日も笑顔で呪文を唱えたら みんなも笑顔になっちゃうね 何の効力ももたない呪文だけ 唱えていれば幸せなんだって わたしの胸とご主人様の胸が 軋む音がいつもするけれども 正反対の音だって気づいてね
廊下にいても教室にいても 誰かの声が飛び交っていて わたしの声は取り残された 誰かの笑い声が怖いんだよ 誰かの囁き声が嫌なんだよ 音に溢れたここにはきっと わたしの世界なんて無くて
理解し難いだろう考え方を わかってもらおうだなんて そんな傲慢は存在しないよ 自分を自分で傷つけたなら 少しは笑いに変換できるね そう言ったぼくは笑えたか ぬくもりを求めているのに きみの体温は鬱陶しかった
もうしばらくの間 あなたに会えていなかった どんどん闇に沈んでいった まだ宵の時間だというのに 夜は来てなどいなかった これ以上落ちるの? もう十分苦しいよ あなたにとっては私なんて そういえばそんな人もいた って感じでしょう? 私もそうならこんな闇には いるはずがないよ どこに行ったら息ができるの 急に会えなくなるなんて あまりにも残酷だ はやく会いたいよ 落ち着くっていつ? 電話したら迷惑だよね でもね私も したいのかしたくないのか どっちだろうね
今日も生きててよかったって 明日も生きようと思えたって 全部ぜんぶ君のお陰なんだよ
学校帰り川沿いをふたり 並んでふざけて駄弁って 躓いたら靴紐がほどけた 結んであげる、って君が いいよいいよ、って僕が お構いなしにリボン結び はい、できた!と満足げ 夕日を浴びて染まるのは リボンと僕の頬なのかな
京都に旅行へ行った 恋人でもないきみと △ ふたりきりの時間は 静かにながれてゆく ▽ ぼくらあくまで友人 ずっとそれでいっか △ そう言えるほどぼく もう子供じゃないよ ▽ 頬張る八ツ橋が口に まだ残るうちに接吻 △ 羞恥心は餡子で溶け 甘さはニッキで抑え ▽ 驚いたきみの瞳孔は ブラックホールかな ▲ ぼくには解らぬ領域 そんな世界が愛しい ▼ 無意識に握った両手 今夜はもう解かない ▲ 京都にぼくときみと ブラックホールだけ