雫がながれおちる夜 それはそれは寒い日 ヒーターのない部屋 両の掌摺り合わせて ほんの少しの温もり 感じていたいから今 今会いたいから君に これって痛いかな僕 もやもやなんて不要 は~っと吹きかけた 息と共に誤魔化して
昨日の満月に誘われて 黄色い瞳の美猫が一匹 尻尾の短い野良さんが 地面に大胆に寝そべり こちらに視線を寄越す 「もっとがんばれよ」 って言われた気がした
弾けないピアノに指のせる あ~きみが~好きなんだ~ 即興の歌詞添えだだだーん 無意味に成長したわたしは 幼さを捨てきれずに生きる そんな自身のことを初めて 好きだと思えた九月の純粋
「誰もお前を必要としてない」 って、さっき言われたんだけど 必要とされるために生きてない わたしがわたしを必要としてる だからいまここに生きてんだよ って、言い返してやりたかった
みんなに向けて笑うきみの その表情がだいすきだから “みんな”に属せるだけでも わたしは幸せを感じるんだ
行かないで 行かないで 近くにいる貴女に まだ何もできていないから この世界線上では 交わってもいいじゃないの 届かぬまま 届かぬまま また同じ朝がくる
✿ ✿ ✿ ✿ ✿ ✿ ✿ ❀ ❀ ❀ ❀ ❀ ❀ 三度目の夏。 僕の目の前を舞うピンクは、 確かに、桜だった。 確かに、君だった。 ❀ ❀ ❀ ❀ ❀ ❀ ✿ ✿ ✿ ✿ ✿ ✿ ✿
きみは次第に白くなった 元々細い腕はさらに細く その姿が全てを物語って 気づいてしまった現実を ぼくは受け容れないから 置いていかないでおくれ ぐしゃぐしゃになった顔 そんなぼくを笑いながら きみがおしまいに告げる 今を精一杯楽しむんだよ
「無理しなくていいよ」って 君に言われて初めて気づいた
昇ってきた眩さに 細める目はどちら 隠れてないでほら 俺の手を握れ自ら インド洋を潜るか 俺と走るかの二択 いってみたいだろ ようこそ東の国へ
いつになく甘えた声のきみ 結わえた青いリボンを解き ギンガムチェックをなぞり ほっそりとした脚に足絡め 交わした約束を軽々と破る このまま溺れてもいいかな
水槽の中で泳がされていた私を 先に出た君が見つめている 君は嬉しそうにクルクル回っている 君も水槽の中にいたんだ だったら、私も………… 少しの勇気と憧れを髪飾りにして 私は水槽から出て バランスが取れずよろける私を 君は笑っていた
窓から差し込む煌き 細長い道筋に導かれ つま先立ちで進めば 君の背中が見え隠れ もう少しで逢えるよ 歩 歩 歩 歩 嬉 そっと廊下を歩いた
おおきな音とともに ⋆ 君の瞳の色が変わる ⋆ ⋆ 映りこんだ大輪の花 ⋆ ⋆ ⋆ そこに僕が加わって ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ 三日月みたく細める ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ ⋆ 幸福で胸が痛むんだ
あたたかい何かが頬を伝い 交わしたカーマイン濡らす 刻んだ記憶と己のベクトル 22世紀から手を振ってる もっともっとと求める信条 また新しい何かが始まるの けれど目は覚めてしまった
時は満ち満ちて 哀しいけど惜別 餞に愛を贈れり 比翼連理の戯れ 案外その程度で 適当に生き延ぶ ほらご覧なさい 落ちよ君たちよ
水面に浮かぶ月を両手で掬って ちいさな瓶にそっと閉じ込める 睫毛の重みの分だけ星を数えて 遠慮がちにひとつまみだけ貰う わたしはひとりぼっちじゃない ここで待っていれば迎えが来る 予定は未定でも確定事項だから きっとそれがどんなに辛くても
剝き出しの敵意に齧りつく 頑張ってねと言われたから わたしは精一杯頑張ったよ 歪んだ口角見て見ぬふりで 眩いひかりだけ追い求めた でももうわかっちゃったよ 転んだ拍子にわかったから 「もういいよ」って言って
焦げ臭さを纏ったキッチンの空気が ぼくをすっかり包み込んでしまって 暴れまわる油たちにアブラカタブラ どうしたってこうしたって出来ない きみがいた頃の体温にもう戻れない 唸ったぼくを見上げてパチパチパチ 唐揚げは羽をはやして瞳を潤ませた
腫れぼったい皮を剥いで 溜めこんだ雫は限界集落 堕ちても墜ちても深い沼 いちごジャムは嫌いなの どろりと落っこちた愛執 哀愁漂わせながら告げる ずっとあなたに寄り添う
傍線部を両腕で表現する なんて誰が思いつくの?
10文字前後の一文を レスで送ってください その文で詩を締めます わたしの詩に清らかな 終りを添えてください
頬をひっぱたかれたときと 全身を包み込まれたときの 温度と、強度がおんなじで どうすればいいか解らない ちからに隠された本当の力 どちらがニセモノなのかを 教えてくれよ伝えてくれよ 過度な期待はしたくないの
○o。. 騙されたい夏、 漂いたい海、 ただ酔いたい、君に。 .。o○
うすい空気に陶酔 虚ろに針をなぞる もうこんなじかん またあえるよかん 下着は捨ててきた ありのまま触れて
わかってほしい欲望 向かいあって話そう わかりあえない切望 たまには笑いあおう わかってあげる熱望 伝えたいありがとう 全て壁にぶつけて候
摑まれた右手閉じた両目 怖いのに心地よくてイヤ 優しげな瞳孔結んだ亀甲 心から何かひとつ奪って そしたら忘れていいから 葡萄が食べたくなったよ
きみの笑顔が見たいから なんて綺麗事言えなくて またノートにきみを描く 紙面仮面能面にアーメン 目尻の皺も黒子の位置も 全部完璧なんだけどなあ
だいすきなキラキラ搔き集めて わたしだけの安心安全絶対領域 解ってとは言わないよ代わって ずぶずぶ嵌まるマゼンタの深海 見えないきみの左手に指絡めて 幸せになっていい?割れた指輪
壮大な//使命感に 駆られて/漕ぎだした海原で/ あの日 わたしを/ 引き止めた // /あなたの左手が、その跡が/焦げていく/腕/の //夢をみて/います 砂浜/に/巻かれる / / 貝々 / 閉じるような//海だったのですね、 ずっと
どうすればいいかな? どうにもならないって 解ってるくせして嘆く 道端に咲く白き紫陽花 萎れた茶色が浮き彫り どうすればいいかな? そのままでいいんだよ わたしは教えてあげる 紫陽花に言うフリして
こんなに近くにいるのに いたのに こころの声は聞かせてくれないね、 自分の言葉がどんどん綺麗事みたいになるのがこわいよ あなたにだけは、僕のほんとうよ届け あなたが絶対に行かないキッザニアになりたい
昨日の先生のことばが 胸にざらざらと残って
もう一年ほど会話をしていない そんなヒトを好きでいていいの そのヒトのどこが好きなんだい 全部!とにかく大好き!なんて 曖昧模糊なことばで濁さないで 意地になっちゃってるのかしら 自身を否定したくないんだろう たくさんの質問をぶつけたって 結局は全部!とにかく大好き! 案外好きってそんなもんだから
君じゃない誰かが満たしてくれて 僕はひとときの幸せを噛みしめる 君じゃなくてもいいのかもと疑問 それなのに君はずっと僕の特別で 君じゃない誰かに満たされたとき たまらない快感を得られるくせに 君のことが頭から離れないなんて 厄介だよ、ねぇ、居なくなってよ 今日も君じゃない誰かで満たした 今日も君じゃなきゃ嫌だと嘆いた
明日が休日だとわかってたべるドーナツの甘さくらくら 声をかけてくれたこと、わたしを見つけてくれたこと それもこれも 月曜日になったら忘れてしまっているのでしょう 歯とか夢とか磨いたら、もう覚えていないのでしょう
うしろで柔らかな匂い わたしは知っている この甘みのもとを 思わず振り返る ほらね、居た ぱっちりと 合うのは きっと 運命 だけど 逸らして 照れわらい ほらね、もう また好きになる その香りも表情も 全部独り占めしたい 欲望は匂いに融かして
わたしの存在証明 わたしの生命維持 わたしの為の言葉 唯一の心の交わり
見せかけの笑顔だけで 何となくの魔法だけで おいちくなったよって あかちゃんなご主人様 心の中であっかんべー だけど悪くないのかも 笑顔で誰かが幸せなら なーんてあっかんべー
いつもの喫茶店で いつものブラック 心のなかはグレー お待たせしました 運ばれたコーヒー 覗き込んだマルに 映ったのは私の瞳 揺らいでゆがんで 君の上腕二頭筋が 浮かんできちゃう 一気に飲み干すと 口のなか広がる苦 駄目だよ、ダメよ 隣を見たでしょう ときめきを溶かす 空のカップのなか マドラーまぜまぜ
わたしは右腕を掻き毟って 心身を必死に落ち着かせて 今をずっと生きてるんだよ 戻れない過去を振りかえり 起こらない未来に思い馳せ 泣きながらでも生きてんの
カチカチカチリチリリ 火を点けてはすぐ消す 料理のためではなくて まして火遊びでもない ただ燃えたらいいのに そう思っちゃっただけ きみとのすべての記憶 ウシガエルに似てるね カチカチカチリチリリ 何度聴いても解らない きみの感性が好きだよ
「なるちゃんの彼女だ」 って言われたときの複雑 わたしは勿論嬉しいけど わたしの為でしかなくて またあなたに迷惑かけた 勝手に依存して執着して 周りだけガッチリ固めて 中心に位置するあなたは ずっとドロドロのまんま
今日も笑顔で呪文を唱えたら みんなも笑顔になっちゃうね 何の効力ももたない呪文だけ 唱えていれば幸せなんだって わたしの胸とご主人様の胸が 軋む音がいつもするけれども 正反対の音だって気づいてね
廊下にいても教室にいても 誰かの声が飛び交っていて わたしの声は取り残された 誰かの笑い声が怖いんだよ 誰かの囁き声が嫌なんだよ 音に溢れたここにはきっと わたしの世界なんて無くて
理解し難いだろう考え方を わかってもらおうだなんて そんな傲慢は存在しないよ 自分を自分で傷つけたなら 少しは笑いに変換できるね そう言ったぼくは笑えたか ぬくもりを求めているのに きみの体温は鬱陶しかった
もうしばらくの間 あなたに会えていなかった どんどん闇に沈んでいった まだ宵の時間だというのに 夜は来てなどいなかった これ以上落ちるの? もう十分苦しいよ あなたにとっては私なんて そういえばそんな人もいた って感じでしょう? 私もそうならこんな闇には いるはずがないよ どこに行ったら息ができるの 急に会えなくなるなんて あまりにも残酷だ はやく会いたいよ 落ち着くっていつ? 電話したら迷惑だよね でもね私も したいのかしたくないのか どっちだろうね
今日も生きててよかったって 明日も生きようと思えたって 全部ぜんぶ君のお陰なんだよ
学校帰り川沿いをふたり 並んでふざけて駄弁って 躓いたら靴紐がほどけた 結んであげる、って君が いいよいいよ、って僕が お構いなしにリボン結び はい、できた!と満足げ 夕日を浴びて染まるのは リボンと僕の頬なのかな
京都に旅行へ行った 恋人でもないきみと △ ふたりきりの時間は 静かにながれてゆく ▽ ぼくらあくまで友人 ずっとそれでいっか △ そう言えるほどぼく もう子供じゃないよ ▽ 頬張る八ツ橋が口に まだ残るうちに接吻 △ 羞恥心は餡子で溶け 甘さはニッキで抑え ▽ 驚いたきみの瞳孔は ブラックホールかな ▲ ぼくには解らぬ領域 そんな世界が愛しい ▼ 無意識に握った両手 今夜はもう解かない ▲ 京都にぼくときみと ブラックホールだけ