まだ夢を見ていたい 今を受け止められる程 まだわたしは強くない
ため息が白くなる季節
「 」 たった二文字が喉につっかえて出てこない 想いだけが溢れそうになる
大丈夫だよ気にしないでを大丈夫だと思わないで
明日は来るんだよとあの月を蹴飛ばして
隠せば隠すほどそれが本当の自分だった気がしてくる
口角を上げた 「さよなら」くらい強がりたい
ごめんねが指の間をすり抜ける 夢を噛んだまま瞼をひらいた また起きてしまったみたいだ、 眠れない夜が更けていく 掴み損ねたごめんねが溶けていく 誰に謝っていたのだろう、と思う 噛みかけの夢を咀嚼する そしてまた夜に吸い込まれていく
こんな孤独に寄り添ってくれるなら そうぬるいココアで十分だから 温もりを求めた手が宙を切って 赤ボールペンが転がった。 しばらく今日に別れを告げる 「おやすみ」
目を細めて月を滲ませる まだ明日は来ないみたいだから 今日の分の「ごめん」を捨てる 心が少し軽くなる