車窓に幻想を見ている きらきらひかる 名も知らぬ星たち くだけたゼリーの味 あの娘の手にした万年筆のインクの香り 将来とかどうでもよくて それより今はもっとどうでもよくて 何もかも全部 この車窓に詰め込んで 仕舞ってしまいたくて それから後は からっぽな頭で 何も見ていない瞳で 精いっぱい輝いた車窓に私はいらなかった 焦がれた日々も 後悔だって そんなのいらなかった
月の光はどんな味だろう と ふと思った きっと甘くて芳ばしい、それでいてかすかによそよそしいような 風味 人気者の彼は誰もいない教室でひとり、黒板を消していた あの血管の浮き出た腕で あの笑顔の裏のため息で 彼はメロンソーダと月の光、どちらを選ぶのだろう ふと青空を見やると昼の月が私を照らす 半月だった。
気になるあの娘は ある日突然会えなくなった あの日僕が助けていればと ただ憧れてばかりでなければと 濁った心で思うばかりで あの娘は今頃どうしているだろうか あの娘と友達になって 2人だけの秘密をたくさん作って 始発の電車に2人座って ただ染まっていく空に海を見つけ 所謂青春をあの娘とともに刻みつけられる、 そんな世界線があっただろうか ああ自分がなさけない いつかまた会えたらその時はきっと