鬼の類
と思ったが、なんと教室だった。松田さんかっこいいし人気者だから、女子や男子からの視線が痛い。違うクラスの人も僕らの方を見ている。松田さんは気づいていないみたいで楽しそうに食べていた。
「早く食べないと、弁当冷めるよ。」
少し気が抜けているところも人気の秘密なのかもしれない。
「林、92ページ読んで。」
「おい、林。ばれるから。ちゃんとしろって。」
「大丈夫。」
こう心配してくれるのは、同じクラスの飛田(ひだ)はやか君だ。私はさっきから本を読んでいる。なぜなら、
「仕方ないな。じゃ、飛田。」
と、この現国の先生は反応がないとすぐに隣の席の人に振る。飛田君には申し訳ないが。ちなみに4月からあっている授業だが、飛田君はいまだに慣れていない。