涙が出ると思ってたんだ うれしくて、あるいはさびしくて でも何も変わらない笑顔と声が ふたりが並んだその姿が 泣いてる暇なんてないと思わせて ただ幸せに浸かるしかなくなってしまった 夢かと思った 今までのなによりも夢だと思った 何年経っても 何歳になっても 大きすぎる思い出は私の中で膨らんで こんなに言葉を紡ぐのが下手になったよ また、夢を見るんだ また、夢を見たいんだ 唯一じゃなくても特別じゃなくても 私はまだ未来が創れると信じたいよ
乗り慣れた電車で終点へ 乗り換えてから3分後 2番出口から見えた空 少しは大人になれたかな 遅刻なんてしないよう 余裕を持って家を出る 目の前にはいつもの仲間 駆け出して話に加わって 教室に入って 窓の外を眺めて 8時半のチャイムが響いて 僕らの春よ、もう一度。
例えば今日、僕が花びらを片付けていること ささやかな諸々の根回しとか 全部。 知らないままで、大きくなっていってほしい
移ろいの季節にて 次の場所へ行く君へ 白く冠る山々から吹くであろう冷風が 我々を戸の内に押し留めんとしているのに 出会いと別れを祝福する桜でさえ まだ咲き始めを惜しんでいるのに 近く君は、遠くへ行く 気軽に帰ってきてくれていい 世間話をしに来てもいい 誰の愚痴を言おうったって構わない 悲しいことを呟くだけでもいい いかな艱難辛苦をその身に背負おうとも 死に体になる十歩前には帰ってきて できれば笑う顔がいい とにかく、いつでもいいから
気づけば1周回ってここに 12編の物語 演劇の様な、独白みたいな 矛盾に塗れたこの日々を 愛せる日が来るように 少しづつ大人になってゆく 私をそっと、見ててほしい。
泣いている人 笑っている人 産まれた命 死んでいく命 支え合う仲間 殺し合う忌敵 知り得ないこと 分かち合えないこと
硝子細工みたいに 零れた涙が 酷く心に刻まれて
例えばコンビニで、誰かに渡せるように と 個包装のお菓子を選んだとき わたしは少し前のわたしより成長している。はず。
月は子守唄 無数の星はハンドベル
まだ眠れないなと呟く声をマイクは拾わない