ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 18.メドゥーサ ㉑
「ネロ、ネロ!」
大丈夫かネロ!と耀平がネロの顔を見ると、彼女は弱々しく大丈夫、と答えた。
「…ちょっと、異能力使い過ぎちゃった」
ネロがそう苦笑いすると、耀平はつい溜め息をつく。
「お前の異能力だけじゃ人探しは難しいのに」
何で1人で飛び出したんだと耀平はネロの肩に手を置きながら言う。
「だって、遠い昔ネクロマンサーの能力を持っていた人と友達だったから…」
ネロはそう言いかけて、不意に言葉を止める。
と言うのも、耀平がうつむいていたからだ。
「耀平?」
ネロに名を呼ばれて、耀平はハッとしたように顔を上げる。
「どうしたの?」
ネロの質問に耀平は何でもないと横に首を振った。
「とにかく、メイを探そう」
ネロにとっては大切な人なんだろ?と耀平は笑う。
「うん!」
ネロはそううなずくと、立ち上がって両目を赤紫色に光らせる。
耀平も目を黄金色に光らせた。