冬
冬は苦手です
夜が早く来てしまうから
いつもより不安の波が押し寄せて
長い夜をずっと一人で
過ごさないといけないような気がして
もちろんそれは勘違いで
画面の向こうにも 電波の先にも
きっとどこかで 誰かは生きているのですが
ついつい「自分だけ」と
思ってしまうみたいです
どうしても眠れないとか
どうしても起きなければいけない夜に
数時間前にあった太陽のことや
頭上を過ぎていった星のことを考えます
今もどこかで 何かを照らしているはずで
それは立派な建物だったり
隠れて涙をこぼす「あの子」だったり
まだ自分の見たことのない「何か」を
経由して明日が来るみたいです
だから結局は大丈夫
つまり「一人じゃない」のだと
そう思えない夜があったとしても
ほんの少し
夜に潰されなくなるように言葉を落とします