夏休みの思い出
かなり遅くなりましたがこの夏の忘れられない思い出を書かせていただきます。
今年の春、社会人になった息子から6月に車掌研修へ入ったと連絡がありました。
しかもマンツーマンの指導担当はリーダーと同じ名字とのことで緊張よりも親近感が先行している様子です。
そして「僕の車掌を見られるのは7月末まで」とも言われました。(え?それって見に来てってこと?まさかの職場参観⁈)と心の中で疑問に思いつつも見に行くことにしました。
我が家から3時間半かけて息子の乗務する電車に乗り込み言葉を交わせたのはほんの一瞬でした。
折り返し列車に乗務する息子を録画しながら見送っていた時は気が付かなかったのですが帰り道に動画を見返すと車掌室から「あ・り・が・と・う」と私に向かって口パクで伝えているのがわかりグッときてしまいました。
思い返してみると幼稚園の頃「大きくなったら車掌さんになりたい」と言っていたので約20年かけて夢を叶えたことになります。
ですがここまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。
まず高校の文理選択では悩んだ挙句「じゃとりあえず理系に進めば良いじゃない」と担任の先生の鶴の一声で理系を選択。受験直前に文理融合学部に出願し一応理系で入学。1回生の冬休み前に好きな授業と出会って「文転します!」と宣言。コロナ禍で就活に苦戦し「大学院へ進ませてください!」と懇願。院進後の就活では「街づくりに携わりたい」と宣言して地方都市へ。無事就職したら「街づくり以外にもいろいろ取り組みたい」とのことでどうやら運輸関係に収まった結果の車掌です。
世間から見ればブレまくりの道のりかもしれません。
親としてはその都度ハラハラ心配しどおしでした。
でも息子なりに悩んだり迷ったりして、岐路に立った時は結果の良し悪しよりも好きなことや胸がドキドキすることを大切にして納得のいく答えを20年かけて出せたのではないか、楽しそうに車掌業務をこなす姿を見てビーバーの「秘密」の歌詞が頭をよぎりました。
社会人としてはようやく歩き出したばかりですが自分にとっては大切な自慢の息子です。こちらこそ素晴らしい体験をさせてもらってありがとうと伝えたいです。