明日はわたしたちの最後の舞台
練習ばかりの楽しかった毎日に
終止符を打たなければならない日
涙で前が見えなくなっても
大好きな人たちと大好きな先生と
これまでの3年間を讃えて
最高の演奏会にしよう
たとえこれが
もう二度と戻れない青春の1ページになったとしても
前を向くちからは
秋風がぜんぶ持ってっちゃったから
たんすの奥から引っ張り出した
分厚い毛布にくるまって
眠るように逃げる
こんなわたしを笑うあなたが
受けとめた風のつめたさに震えて
泣いていたらいいのに なんて
願いばかりが届かなくて
あなたのかなしみとよろこびに
わたしを使わないで と
叫んでいる自分の顔を
どこかでずっと見ていた
涙も枯れたこの目には触れちゃだめだよ
醒めるか見入るかどちらかになる
君は万華鏡だ
真っ暗闇のあの熱はだんだんと冷えてゆくのだと、知っていましたか
からからと音を立て回る景色に
君を無理にあてはめた
痛い、少し、目の奥がじわりと
「ううん、なんでもない」
そう言えばなにもなかったことになる
ね、
笑えているだろうか
心から笑えているだろうか
ひきつってないだろうか
そんなことを気にしているから
心から笑えないんだ