誰かを信じるってことは
「この人は絶対に私を裏切らない」
と思うことじゃなく
「この人になら裏切られてもいい」
と思えることだと思うんだ。
だから私は君を信じているよ。
たぶん、
君の夢を見た気がするの
顔はよく覚えていないんだ
なんでかな
あの人はコーヒー好きだったっけ
どんな声で笑っていたっけ
ひとつひとつ、ほどけていく
たぶん、わたし
次に会うときには
新しいわたしなんだ
そして新しい君でしょう
ほどけたすべてを
結びなおせるようならば
夢に君がいることを
もっとあたためられた
きっともっと素直だった
僕は君に
どんな言葉をかけられる?
「大丈夫?」なんて言葉が
虚空なことくらいわかってる
でも
空っぽの脳みそで
お前へのエール
必死で絞り出してるから
ちょっと
まってね
「“がんばれ”に詰まった思いは飛んでいく 今日の明日の君の君のため」
来週から手術をする、友達へ向けて。どう伝えればいいかわかんないけど、頑張ってほしい。もう一度、泳ぐために。
『管理人、来邦』
こんこん...こんこん...
夜、ユリ以外の全てが寝静まった夜。
アパルトマンのドアが小気味よい音を立てた。
「やあこんばんは、違ったら失礼、此処はユリ・ロトウのお宅かな?」
「ええ、多分そうだわ。いいよ、入って。」
ドアがゆっくりと開き、一人が入ってきた。
『管理人』である。
「頼み事があってね。......とっても大事な。」と前置きして管理人は話を始めた。
「僕の勢力圏内にあるネペジの大切な女の子がいなくなってしまってこの街で目撃されたらしいんだ。それで、君にその子を探して欲しいんだけど、頼み事は出来ないかな?」
ユリはゆっくりと立ち上がり「わかったわ」と言った。
管理人は少し口角を上げて特徴を言い始めた。
「歳は9歳で身長は低め。目撃時着ていたのはローブでその中に紅いシャツを着ていて......」
ユリはゆっくりと瞬きをした。
そしてゆっくりと話し始めた。
「ある程度絞れはしたけど、最後に一つだけ名前を聞かせて貰おうかしら。」
管理人は片目を瞑って応えた。
「名は宝条ガラシャ、ネペジの元首『宝条八千代』の妹だよ。」
かたん...かちゃ...
ユリは管理人にいつものハーヴティーを淹れた。
摩天楼の絶えることの無い光に照らされて液面は重い体を動かす様に揺れていた。
管理人はキッチンの戸棚から瑠璃色の角砂糖を取ってきてティーカップに二つ入れた。
ちゃぷん
と不敵な音を立てて角砂糖は液面へ吸い込まれ、消えた。
ユリと管理人は無言でその様子を見ていた。
虹色の湯気をあげて、液面は揺れていた。
管理人はハーヴティーを片目を瞑り一口飲んだ。
ユリは棚から煙管を取ってアパルトマンの外へ出ていってしまった。
記憶とは糖度の高い果実。
心とは限りなく澄んだ水。
意味の無い、二人だけの秘密。
甘くない、誰も取らない果実。
ユリが絶対吸うことのない煙管は虹色のような星色のような煙を天に上げていた。
To be continued #35 『キャンバスナイト』
P.S.まさか、まさか書くのに三時間かかるとは。
我儘でごめんなさい。
でも
あなたからじゃダメなの
あの人からじゃなきゃダメなの
もしもあの500日がなかったら
私は貴方の恋人になれただろうか
変わりゆく貴方の価値観を
変化に気付かず許容して
そうして私を変えながら
貴方の隣に居れただろうか
最近ラブソングを聴いては
自分と君とにあてはめて
勝手に感動してる
でもこの気持ちは
君は全く気付いてなくて
君は私じゃないあの子を見てるのかな
ラブソングみたいなハッピーエンド
私と君に来るのでしょうか?
来るはずないって口では言うけど
内心期待しちゃったり。
心の中では言えるのに。好きって。
いっそのこと両耳聞こえない方が良かったのに。
私は好きで片耳聞こえないようにしたわけじゃない。
片耳のせいでライブ行けないとか、嫌だよ。
それで禁止されるのも困る。
ライブに誘ってくれた友達を大事にしたいのに。
何で。。
分かってくれないんだ。
何で、責められなきゃいけないんだ。
意味わからん。
もう勝手にしとけ。
いっそのこと両耳聞こえない方が良かったのに。