まだ、人間と鬼が共存していたときのお話。
そういって、私は話始めた。
門宮村(かどみやむら)には、1つの家だけ、鬼が暮らしていた。それが鬼柳家(きりゅうけ)。元々、他にも鬼はいたのだが、他の村への移住だとか、子供の減少だとかで、この村では鬼柳家だけとなってしまった。しかし、この村はとても平和で、鬼だろうが人間だろうが関係なく暮らしていた。
この鬼柳家というのは、母・薺(なずな)と長男・朔(さく)、長女・薊(あざみ)の3人。ちなみに、兄妹である。
この日だって、平和に1日が過ぎるはずだったのに____。
その日のある事件によって、3人の家族の歯車は狂っていくのであった。
「ねぇ、母上。」
「どうしたの?」
話を遮ったのは我が子。
「怖いお話?」
私は安心させるように、努めて微笑む。
「いいえ、こわくなんてないわ。……ただ、哀しいだけ。」
戸惑うような顔をする我が子の髪を撫でる。
「でもね、母さんが一番好きなお話。」
『助手【ザスモ】』
「私は、この世界は32cmの貫通穴と20cmと10cmの金の延べ棒と取っ手が5cmのトンカチさえ有ればこの世界の全ての現象を喩える事が出来ると考えます。」
「なるほど、面白い事を考えつくね。」
ザスモは考える事に関しては天才である。
考える事に関しては、だが。
ザスモの思いつきの言動は管理人に様々な影響を与えてきた。
それほど思いつきと言う物は怖いものと言う事でもあるが。
「ザスモ、この本を3ブロック先の本棚に入れてきてくれるかな。グリモワールはもう入っているから。」
「はい畏まりました。」
そして管理人は、カンテラの火を渡した。
To be continued #58 『助手【ナガヨ】』
P.S.お年玉で色々な物を買いました。
パソコンとかペンタブとか。
やはり面白いですよね、色々。
悲しいだとか苦しいだとか嬉しい楽しい恋しい愛しい切ないはがゆいだとか、ぜんぶまとめて明日のゴミ回収に出してしまえたなら
きっと楽だろうな
だけどきっと退屈
あ、退屈だという感情も埋め立ててしまうわけだから……
人は感情を失うと、生きてても死んでても変わらないのね。
そんなつまらない生き方するくらいなら、苦しいの波にも嬉しいの波にも
いっしょうけんめいのっかって、じたばたじたばた
暴れて生きていくほうが
自分にやさしい生き方なんじゃい
それは、小さなバグに過ぎなかった、魂が2つ、境界を越えて、この世界に表れ、実体となり、その世界へと落ちていった...
「っつたぁ...あれ?ここは?俺は確か...あの時...」、落ちた魂のうちの1つ、名前はシンジ、あの神社で目覚めた、そこには、巫女が立っていた、「あんた、何者?空から降ってきたけど...」、「俺...そうだ!あの時、俺は死んだんだ...じゃあ...ここは天国?」、「ばかねぇ、そんなわけないじゃない」、「え?じゃあここは?」、「ここに、名前はない...そういうところだ」、「うーん...まぁいいか、俺はシンジ、あんたは?」、「名前を聞かれたのは、久しぶりねぇ...私はオラクル、まぁ、よろしく」、「よろしくな、オラクル」、「まぁ、聞きたいことは山ほどあるが、とりあえず、どっか痛くない?」、「え?大丈夫だけど」、「...あんた、ほんとに何者?」、そういいながら、シンジを神社に案内した...
「ん...ここは...」、落ちた魂の2つ目、名前はサク、「(ん?寝室...?)」、「あ、お目覚めですか」、あの従者が部屋に入ってきた、「すまない、ここはいったい...」、「え?あぁここは、血鏡館でございます」、「(血鏡館...?はて、どこかで...)」、「お嬢様を呼んできますね」、従者は部屋を出ていった、「(血鏡館!思い出した!湖の真ん中の小島にある館じゃないか!)」、彼は、落ちてる本を拾ってしまった、その本は、この世界と繋がっていた、そのための魔法が記してあった、そして、魔法を唱えてしまったのだ、「(本当にあの世界...だと...確か...主の名前は...)、「連れて参りました」、従者ともう一人、少女がそこに立っていた、「お初で、私はこの血鏡館の主、ルナ・スカーレットです」、「あ...あぁ...俺はサクだ」、「こっちが従者がサクヤよ」、サクヤは微笑みかけた、ルナが続ける、「ところで、あなたはどうやってここに?」、「本を拾ったんだ、で、そこに書いてあった、呪文を読んだら、本に吸い込まれて、気がついたらここに...」、」なるほど、まぁしばらくここでゆっくりしていきなさい、サクヤ!」、「はい、お嬢様」、サクヤとサクはその部屋を後にした...
寝ている間に
スノーマンは連れ出してくれなかったみたい
誰かが黒のフイルムを
ひとつ、またひとつと引き抜いて
夜がすこしずつ薄くなっていく
まだあけてもいないカーテンの内側に
もこり
小春日和の残り香
ああ、
もう昨日の自分とは解りアエナイ
眠れない夜には手を繋いで
星空を お散歩するんだ
おうし座から おおいぬ座
こいぬ座から ふたご座へ
星空は君の庭
目につく星座 全ての お話を
強請れば すらりと諳んじる
偶に かち合う見知らぬ星には
少しの間 立ち止まり
即興の神話を一つ
それが大好きな私が
小さな星ばっかり指差すから
明け方頃に君は決まって
ネタ切れだよって笑うんだ
今日はきっと、昨日生を終えた人々が生きたかった今日なのだろう。
今日を生きられなかった人々の分まで生きるなんて、そんな器用な真似はできやしないけど。だけど生きているなら、せめて明日を思って、少しだけでも前を向いて。一歩だけでも、二歩だけでも、歩いていきたいと思うんだよ。