表示件数
2

あしたになったらわかるよ

ライブ会場の最前列はまぶしくって
なんも見えやしねえや
なんて、小学生の僕は思ったのさ
大好きな音楽も無定形なんて嫌だ。
やわらかい形をおくれ。
なんも聞こえないくせにね
ヘドバンばっかしてて
「サイコーだった」って大人ぶって
お酒の味が恋しくなって
すっかり汗かいて
あしたになったらわかるかなあ
冷たい夜も、叫びたい言葉も
いつの日か、形になって
この爪から、ほとばしるように
冷たい雨が、骨までしみる朝を
僕らは、いつだって待っていたから

めをつむって、あしたになったらわかるよ

1

総てが指1本の裏で

総てが指1本の裏に隠されている。
あの時の苦難、嫉妬、憤怒、愛情、友情、良心。
誰かとの帰途や周囲の喧騒、お気に入りの音楽や受験勉強や睡眠までもが。
それら総てが指1本で隠れうる半径約6360㎞の物体の中に統べられている。
そして、これらは約1500gの物体によって統べられている。

2

私ばっかり好きみたいじゃない

私はあなたが1番なの
あなたも私が1番だって
その大好きな笑顔で言ってくれた
その笑顔が大好きで
だからあなたの泣いてる顔は
見たくなくて。

隣にいるしかできないけど
隣にいさせて?
泣顔を笑顔に変えて見せるから

そう言ったら

それは何の意味があるの?

冷たく冷たくそう言われた。

私はあなたの彼女なんだよ
なら私はあなたの支えになりたい
そう思うのは間違ってるのかな
泣いてる声 泣いてる顔
もう見たくないよ

いつになったら
いつになったらあなたは
私を好きになってくれますか?

0

乾いた瞳に何願う

どうしようもなく
泣きたくなった
どうしていいか分からなくて
立ち尽くしたまま

0

恋するオトメ

足場なんてないのに、ただもがいて、ひたすら上を目指した。悴む手足は痛々しいキズを付けている。まるで、私が生きている証拠みたいだ。
もっと単純な答えでいい。多くはいらないから、たった一つでいいから、カタチある答えを私にください。

1

どしゃぶりのバス停で 5

あれから三日がたった。
伊藤君は、頭の回転が速くて、男子の会話の中心にいることも多くなった。
転校して来たばかりなのに、もう男子のほとんどから信頼される、人気者になったようだ。
そして、優里香はどうやら木村君と付き合い始めたみたいだ。
最近は、よく一緒に話しているし、一緒に帰ったりしている。
「優里香…」
優里香に話しかけようと呼んだ時、木村君と喋っているところだということに気づいた。
別に、優里香以外友達がいないとかそういうわけではない。
あかりのグループとも割と仲がいいし、男子ともまあまあ喋るタイプだと思っている。
でも、親友と話す機会が少なくなっていくのは、悲しいことだった。
ぼんやりとそんなことを考えてると、後ろからぽん、と肩を叩かれた。
「えっと…相葉さん?消しゴム落としたよ。」
「ありがとうー! …!」
そこには、伊藤君が立っていた。

2

無題

喧騒の切れ間
ふ、と浮かび上がる静寂の中では

覚えてしまった指が
何度も何度も その名を綴って

覚えてしまった唇が
何度も何度も その名を呼んで

それは虚空に霧散するのみと
その都度 目の当たりにしているくせに

その余韻も溶けきらぬうちに指は唇は
懲りずに走り始める

0

無題

人間関係って難しい
どうしたら機嫌は直る?
どうしたら前見たいに楽しく話せる?

この世界はいろんなところで繋がってる
時にはそれが人々を幸せにするものとなる
だが、
それと同時に人々を不幸にするものにもなる
今私は人を傷つけてしまったのだろうか
それとも相手が私を傷つけてしまったのだろうか

どうしてもっと早く気づかないのだろう
もう不の噂は広まっている

だがもう遅い

一度ついたイメージは二度と壊れることはない
どんどん自分の居場所が無くなっていく
どんどん自分を嫌いになっていく

と、同時にこの世界を憎む

お願いだから
聞いただけで判断しないで
見た目だけで判断しないで
どうか一度、話しみてよ
どうか一度、いいところを探してみてよ

いや、
いいところなんて自分には一つも無いのかも知れない

0

無題

ただそこに貴方がいるような気がして

でもそこに貴方の呼吸は無くて

2

序曲

神社で、シンジがオラクルから質問を受けていた頃、サクはサクヤから、館の簡単な説明を受けていた、「...最後に、ここがあなたのお部屋です。ここが広いので、ちょっと説明が長くなってしまいましたが、迷ってしまわれたら、私にお聞きください」、「わかった」、「では、私は給事に戻りますね」、サクヤは、その場を離れた、「とりあえず...入るか」、その部屋は、目覚めたときの部屋と、広さは同じくらいなのだが、置いてある家具等が少しだけ違っていた、「こりゃすげぇ...」、とてもきれいな部屋、客人用だと聞いたが、全く使われてないようにきれいだった、「(ん?)」、なぜか、小さなテーブルの上、この世界に飛んだときの本が、無造作に置いてあった...
「失礼します、お嬢様、紅茶です」、ルナは考え事をしているようだった、「ん?あぁありがとう、案内は終わったの?」、「ええ、滞りなく」、「流石サクヤねぇ...ん...おいしい...」、「今日は、庭の畑で採れた、葉です」、「あら、もうそんな時期?なんか、早いわねぇ...ところでサクヤ?」、「なんでしょう」、「あの青年の話、どう思う?」、「おそらく...」、「あら、どうやら、私と同じ考えみたいね」、「ええ、おそらくイズモの一派の仕業だと...」、「はぁ...何だか、今回は度を越して面倒くさそうねぇ...」、「ですが、この前のことを考えて、巫女には頼めなさそうですし...」、神社の巫女はこの世界を守る指命を代々背負っているのだ、「しょうがない...サクヤ、お母様をこの館に呼びなさい」、「しかし、お母様は、今どちらにいるのか、わからないのですが...」、「それなら心配ないわ」、「まさか...」、「ええ、そのまさかよ」、「お嬢様!あれは危険すぎます、お止めください!」、「いいのよ、なんとかなるから。サクヤ、早速準備に取りかかりなさい!」、「...わかりました...」、「あぁそうそう、パチェにも、準備をお願いしといて」、「了解しました」、ルナは久々に興奮で胸が高鳴っていた...