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4

さよなら、制服。 またきてしかく。

これでもう最後。

袖を通して
ボタンを留めて
リボンをつける。

見慣れたものが急に愛おしくなるのは、
離れる寂しさを知ってしまったから。

背伸びをしなくても、
やっと登れるようになった階段

誰かが落書きしたままの黒板に、
散らばったチョーク

居心地がいい図書室

嫌いだったのに
気付けば好きになってしまってた。

貰った卒業証書はまだ仕舞えないけど。

さよなら、さんかく。
またくるね、しかく。

0

いつか

また会えたとき、私に気付いてくれますか。
また会えたとき、私と話してくれますか。
また会えたとき、私に笑いかけてくれますか。

もう会えなくなることが怖くて、今までずっと背を向けてきた。でも、その時は必ず訪れる。

まだまだ伝えたいことがあります。
いつか、また会えたとき。そのときを夢見て、
今はさようなら

1

いつのまにかこわくなる

傷つきたくないから
傷つけたくないと言って逃げたよ


さよなら したくなる 前に
さよなら しなきゃね、って



1

鬼ノ業~本章(漆)

しばらく遺体から離れたところで、男の子が落ち着くのを待った。聞いてみれば、男の子の名前は凜(りん)と謂うらしい。近くの村の住民だそうだ。
「お父ちゃんが、珍しい鳥を見せてくれるって散歩に来たんだ。そしたら、その珍しい鳥は居なくて…帰ろっかって言ってる途中に、鳥が鳴いたんだ。なんだか急に不安になって鳥見てて…もう一回帰ろって僕が言ったら、もう…お父ちゃんの首が…無くて…‼そのまま崩れるみたいにして…っ!」
恐怖でしかない。
拙い言葉ながらながら、しっかりと伝わった。子供にはあまりに過酷である。
「凜、君の村にまずは戻ろう。話はそれからだ。」
朔の言葉に頷く。
蒼は何も言わず、見守っていた。
「道、覚えているかい?」
「うん…此方だよ。」
すると、その村まではすぐに着いた。しかし、やはりながら事はそう上手く運ぶものではなかった。

0

失恋

優しい視線を忘れてく
向けられた笑顔が掠れてく

君の その 何も要らない と言いたげな
そんな顔を見た
それだけで

0

無題

人の技術と、人の叡知により、人は絶滅する。
それでも僕らは、前を見て生きる。
この命がつきるまで、土を耕し種を植える。

0

むしゃむしゃ

与えられたものをむしゃむしゃと
食べていたら何かが喉の奥でつっかえた
魚の小骨だろうか
いや、ちょっと違う、
だんだん苦しくなってきた

人から与えられたものなんて
むしゃむしゃ食べちゃいけないね

3

(your)pocket full of stars

金平糖を放り投げるよ 
君に当たって星を散らすといい

ハートマークをつけるよ
あなたのこと きっと何ひとつ知らないけど
あなたのことばはとても素敵だよ

胸を張っていてよ
胸を張っていいよ
一つになってしまうくらいなら
いっそ独りぼっちのほうがマシだろ

金平糖を放り投げるよ
闇雲の下に星を降らすといい

2

いんふるえんざ

長いいのちの後遺症で、いつも伏し目がちな君を前にして僕は。薄氷みたいな爪に引っ掛かった、やたらマルやらバツやらが付いた答案用紙を無理にうばいとって、全部サンカクに書き換えることはできない。ずーっと続くハルの散歩道、どんなときも流れる陽気な唄、朝焼けの投影機。宇宙の錬金術師じゃないから、そんなものは造れない。
わからない わからない
今日も気が付けば下を向いてスノードームを掻き回し、こんくりに叩きつけられないでいる

0

No title

共に歩くのも止まるのも、隣はあなたがいい。あなたの手を握ってもいいかな、照れくさそうに笑うあなたが心地よくて。
同じ方を向いて、同じことを考えて望んで、熱を分け合って、ただあなたと眠っていたい。冷たい涙をすくい上げて温めてみせる。あなたじゃなきゃダメだと心が泣く前に。
近すぎたからわからなくて、焦点が合わないから大事なものを見落としていた。時を止めて、隅々まで探し回ることが出来たらいいけど、それはきっと出来ないから、今ここでひたすらぐるぐる回るんだ。
やがて訪れる最期の瞬間をこの目に焼き付けて、静かに迎えに行けるように。