歪んだ空気に包まれて
見上げた空が空虚に霞む
ただ漂うだけの空間に
心地よさを見出だして
一歩退いて 視線の端に
現実世界の影を見る
【楽しいことが終わるときの、ふと現実に立ち返る瞬間の寂しさみたいなものを刹那って言うんだって、誰かが言ってた。】
子供とは何か、を定義するならば。
ボクはこう定義する。
子供とは好奇心で常に一定の場所に定まらないモノである、と。
ユリ・ロトウはその様な事を考えながらグリモワールを書いていた。
書いていた、と言ってもその手は一万尺の過去から既に停止していた。
ユリ・ロトウは思考していた。
どちらの仮説が正しいのかと。
あの少女に記憶を取り戻す魔法をかけるべきなのか、かけないべきなのか。
答えは未だに出ない。
あなたに返す言葉が見当たらず
機嫌を損ねた夜
私は、巧く寝付けずにいる
どうしているだろうか、と
思えど遠く
気持ちは、磨り硝子越しのように
ぼやけた輪郭でいる
あなたを思う言葉は失ってしまった
輪郭を探す夜半
果たして、巧く根付けずにいる
どうしたものかと
お守りの様に
気持ちは、磨り硝子越しのように
冷たく顔をつける
どこにいても 君を見つけられて
どこにいても 君を目で追いかけてしまう
でも目が合ったら そらしてしまう。
多分君は優しすぎるから
好きじゃない人からの告白も
ありがとうって 受けとめてしまいそう
でも私が告白したら
絶対フラれてしまいそうで 告白できない
当たって砕けろなんて
私は当たる前から砕けてる 分かってるけど
その一歩が 踏み出せないまま
長くて短い春が 過ぎていく
どうかこの思いが 花びらとなって
君のもとへ 届かないだろうか