雨が降りそうなこの匂い。
なんだかこのまま歩いていたら、
君に会えそうな気がした。
いつもの街 しっとりと
雨の季節、気づかぬ間に近づく
雨の日は貴女と駅まで向かう
傘と傘を重ねて僕と貴女の世界を作る
傘を弾く音が 僕らを繋げる
僕の傘は些か大き過ぎたみたいだ
孤独が孤独で埋められる街が
今夜は乱反射して極彩色な街になる
今日こそ1番停留所までついていこう
「それじゃあ、また明日」なんて。
(梅雨がもう少しで始まりますね。雨ポエムの季節です。)
すくえるわたしは今のうちにすくっておかなきゃ。
もう遅いよってなったらもう遅い。
泣きたいときに泣かなくちゃ、涙はどこにたまっていくの。
鼻の奥に、喉のほうに、心臓の中に、
あふれたら溺れてしまいそう。
苦しさを分解してどうか涙で押し流されますように。
すくえるわたしはすくっておかなきゃ。
わたしがわたしって思えるように。
私のことを可哀そうだなんて言わないで!
慰めようなんて思わないで!
貴方はいつもそうやって…。
言っとくけど、誰も期待なんかしてないから!
「そんなことよりさぁ、お腹空かない?」
「…。」
「なんか食べに行かない?今日は奢るからさ!」
「…、駅前のケーキ屋さんいく」
いつものコンビニをでて
歩道橋をふらふら揺れながら
僕は上がった。
なにもないけど 落ち込み気味な
僕。
歩道橋の上で君を見つけた。
迷って迷って迷った末に
声をかけよう 決めたけど。
君が急に走り出した。
階段を駆け下りていくから
僕も君を追いかけた。
白い線の上を駆けてく君。
僕の前は 赤くなってた。
いつもみてたけど
君のゆらゆら揺れる
ポニーテール。
なんかわかんないけど
僕のつぼだった。
向こう側を走る君が追いかけるのは
彼だった。 僕ら3人の間には
いくつかの 矢印が飛んでいる。
僕も走り出した。
矢印を君にあげるから
君も僕にちょうだい。
君の腕をつかんで
行かないでって言ってみた。
不思議そうにする君がまた
綺麗すぎて 見えないよ。
君の矢印はまだ彼が持ってるけど
2人で青を待ってるんだ。
なんとなく 思ってるんだけど
言えるようなことじゃないでしょう?
半年前から始まったこのお話を
終わらせることに必死になってる。
あたしとあなたの関係は
単純で複雑だよね。
友達だけど お互い恋人になりたがってる。
臆病なあたし達は 失敗した。
ほんとにほんとにほんとにね
好きだったみたいだよ。
ダメとわかりきって 告ったけど。
ほんとにほんとにほんとはね
あなたもあたしが好きでしょう
でも この関係を終わらせたくはないから 半年が終わる。
なんとなく 思ってるんだけど
あなたは あたしを好きでしょう?
だって 終わってるのに
あたしを見るから。
大事なら愛してるなら
叶えてよね。
無駄な愛はいらない。
叶えられたらいいんだよ。
臆病な あたし達は失敗した。
知ってる知ってる知ってるよ
あたしを気にするあなたのことを。
あなたの気持ちを知って
息ができない。
知ってる知ってる知ってたよ
タイミングが大事な事くらい。
あと 1日早ければ。
終わったかもしれないね。
半年が終わった。
私のことも含めて、すべてのことを忘れてしまったあいつ。記憶を取り戻すことは簡単ではないらしいが、不可能でもないという。だから私は、あいつの記憶を取り戻すのに必死だった。
しかし、どんなに頑張っても思い出してくれない。
「お願い…何かひとつでいいから、思い出してよ…‼︎」
「…ホントにすまない、そしてありがとう、俺のことを気にしてくれて」
「お礼なんか言わなくていいの!貴方の記憶、絶対に取り戻してみせる!」
私はひたすら、あいつとの思い出を話した。昼休みにみんなで鬼ごっこをしたり、喋ったりしたこと、文化祭の合唱コンクールで優勝したこと…
なのに、あいつは何ひとつ思い出せなかった。
「ごめん、やっぱり無理だ」
「そんなこと言わないで!これから先、何もわからないまま生きていくつもりなの?そんなの…ダメに決まってるじゃない!」
「…わかった。じゃあ、あとひとつだけ、聞かせてくれ、俺との思い出話。1番の、思い出話を、さ…」
「…わかったわ、じゃあ、あとひとつだけ」
「ある雨上がりの日、一緒に夕日を見たのよ。私もはっきりとは覚えてないけど…ものすごく綺麗な夕日でね…」
その時、あいつの瞳の色が変わったのが私にはわかった。
「雨の日…夕日…」
「…え…⁇」
「思い出した、わかった…‼︎一緒に見たな!思い出せた…‼︎」
「…やった…やった…‼︎‼︎」
そして、あいつは私に抱きついてきたのだった…
あいつが記憶を失う前から、私はあいつが気になっていた。
今日の天気は雨。あの日も雨。
今日も雨の日に笑いあっている。しかし、あの日の笑顔よりも、今日の笑顔の方が、眩しかった。そして、雨なのに、晴れていた。
かなしい夜
ロックンロールをきいて
昨日までのかなしみを捨てたくなった
ちらちらした小川に素足などをひたしながら
新しいかなしみを探しに行く
ただの村人A
私なりに考えて、それが最善。
話しかけられない。君に話しかけられるのを待っているだけ。
話しかけられてもすぐ、またいつもの景色に
ただ背中を見ているだけ、そんな景色。
私にとって君は、私の見る景色を変えてくれた勇者。
君にとって私は、ただの村人A?
世の中が君をどう思ってたって
君が世の中をどう思ってたって
僕はただ君だけ想っていたい
僕はただ君に一途でありたい
あの雨の日から1年経って…
あいつは急に、学校で倒れたのだった。原因不明の体調不良で、担架で運ばれていった。
その現場を見ていた私は、胸が張りさける思いをしていた。
「あいつはそんなに体が強くない。戻ってこられるのかな」
幸い、あいつの体調は回復。しかし、頭を打っていたらしく、記憶喪失に。
悲しいことに、完全になにも覚えてないらしく…
私のことも忘れてしまっているに違いない。
これから、どうしようかな…
また1からやり直せばいいのかな⁇
たとえあなたが
今日のことを
明日には忘れていても
その日だけの特別な
“愛してる”を
1日1日
紡いでいく
そうすれば
どんな1日でも
宝物になる
きみの声が聞きたいと 素直に言えない春の夜
つつじが綺麗だよ 紫陽花の葉が出たよ
美しいと思えるもの 大切にしたいね
鵺に乗って 夜街を遊泳する
迷惑なネオンの街も
虚しく佇む高層ビル群も
静かに押し黙った住宅街も
透明な引力に引っ張られた人々も
何度も繰り返す初恋の彼女も
何処でも目立つ彼奴も
画面に映る虚妄を作り出すあの子も
全部を超えて 翔ぶ翔ぶ翔ぶ
少しだけ肌寒い風に従って
月まで雲まで
幽霊じゃなくて幻だから