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-季節 ⅩⅢ-

あれ?
また……なにも言ってないのに…。
「桜尾さん…」
「そうだよ。君の予想している通りだよ」
えっ…
「えっ…?」
夏川くんも同時に言った。

「なんかね、昔からあるんだ。才能なのかな」

別に家系的なことではないらしい。
昔から人の本心がわかってしまったらしい。
「辛かったよ。聞きたくもない声が聞こえたり」
良いこともあるが、悪いことの方が多い才能らしい。
「我慢できるようにはなったんだけど、人を信じられなくなるよ」
人は、人の心は、暗い渦が巻いている。
純粋な心は、すんでいる。
と、桜尾さんは言う。

「良いことないよ。人の心なんて読めたって」
時々見せる“切ない”あの表情は、それのせいもあるのだろうか。
   すべてを見据えたような表情
とでもいうべきか。
すべてわかったような表情。
闇を理解したような表情。

…きっと、桜尾さんの場合はすべてわかっていて、闇をすべて理解しているんだ。

“ような”じゃなくて。

「桜尾さんって……」
夏川くんが口を開いた。

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即興だから、そうだから。

ぱちぱち月が見ている僕を
ぷちぷち潰して今日の憂鬱
ペペロンチーノ辛くて食べれないから
ぴちぴちクラゲになりたい
嘘、ぽちぽち歩く
赤信号が変わるまで
つまんないから昨日の朝を
おもいだす夜、ぱぴぷぺぽぱぴ

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3Dハサミ (3Dハサミとは、動きのある情景や一連のシーンをちょきちょきと切り取ることが出来る鋏である。)

ねえ、雨だよ。
あ、ほんとだ。雨だ。
傘、持ってる?
ううん。
そっか。
傘、持ってる?
ううん。
そっか。

お腹、すいた。
そっか。
板書あたるところ、終わってなくて。
ふうん。
昼休み、弁当食べきれなかった。
そう。

弁当と言えばさ。
なに。
今日の弁当、たこ焼きだった。
そっか。
だから、箸が一本しか入ってなかった。
賢いね。
そうかな。
そうだよ。
うん。

雨、やんだ?
ううん。まだ。
帰ろうか。
うん。
じゃあ、また。
うん。
冷たいね。
走らなきゃ。
コケないかな。
気をつけよう。
うん。
じゃあ。
じゃあ、また。

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流れ星

夜空のなか
涼風にたなびかれ
流れていく星

僕の空には
流れても消えぬ

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序章-はじまり-

・・・・・・常氏江の森(とこしえのもり)

それは、木々が鬱蒼と繁り、昼でも薄暗く不気味な場所。人は誰一人として近付かない、そんな場所。

そこでは、1人の少女がお悩み相談室を開いている。

予約必須の相談室には、野生動物や森の精霊たち、時には人間も、様々な者たちが悩みを抱えてやってくる。

日々怠惰を絵に描いたような少女が繰り広げる、ゆるゆるな世界。

「・・・・・・悩み事があるなら聞いてあげる、どうせ暇だし。ただし事前に連絡くれないとやる気出ないから、そこんとこよろしくねー」

僕が森のなかに住んでいたら――

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うそうそうそ

バスケットのたまごサンド
むこむこしてる暗幕の中で
ふかんとしてる
お疲れさま

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好きだから不安になる
それは先輩は私のものじゃないから。
先輩が私じゃない他の人を気になってるかもしれないから。
大好きだから辛くなる
それは好きすぎて自分が分からなくなるから。
先輩に嫌われたくないから自分が出せなくなる。
緊張し過ぎて喋れないから泣きそうになる。

これが恋なのですか?
私が想像していた恋じゃないよ…
こんなに辛いのですか?

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(≧∇≦)

或る日、彼の雨の朝
貴方は灯りを手に提げて
月明かりに包まれて
日の当たる場所へ歩き出した
私は貴方の足跡を
追い駆け乍ら思いました
貴方の背中の月を見て
貴方の瞳の色を見て
貴方のことを想いました
彼の日のことを思い出した

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ぼくは見てしまった③

今日は体育祭

後ろの席の前島くんが

今日は欠席だった

珍しいな

と思いながらも正直

ちょっとホットする

最後の学級対抗リレー

アンカーは僕

おーまいがー

保護者席にカメラを構えている

後ろの席の前島くんがいた。

2

繰り返し。

命に終わりがあるから
僕らは誰かを信じたいんだ
誰かに愛されたいんだ

涙を流したのは
誰かを愛した証拠で
信じた証なんだ

それだけは忘れないで
君は愛されるべき人だってこと

同じこと何度も言うよねって
君は笑うけど
もちろんだよ 大事なことは何度も言うよ

僕を信じてくれた君を愛してるよ

君の言葉に音をのせて歌うよ
同じ涙を流した誰かに
届くように

2

ぜひ、よろしゅうに 

はじめまして!森十牙って言います。 不定期ですが 『森のポエム録』って言うタグをつけて投稿するのでよろしくお願いします。
        見つけたらレス下さいm(__)m

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-季節 ⅩⅡ-

見慣れた重い扉をゆっくりと開いた。

ギギギィィィ………

「おはようございます」
いつも通りの景色だ。
既に夏川くんが来ていて、桜尾さんと仲良く話していた。
「あっ…おはよう、白帆さん」
桜尾さんがいつも通りの笑顔で返してくれた。
それで気づいて夏川くんも
「おはようございます、唯さん」
と言ってくれた。

「今日も客、来ないねー」
桜尾さんがつまらなさそうに言った。
「いつもこんな感じなんですか?」
夏川くんが私に向かって言ってきた。
お互いに話しやすくなった。
(まだ一日しか経ってないけどね。)
「こんな感じです」
「へぇー」と、夏川くんもまたつまらなさそうに言った。

「やっぱり心が通じ合う人とは、すぐにわかりあえるんだよ」

桜尾さんがどこか遠くを見て静かに言った……。

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乙女のこころ

あなたが笑ってる
それだけで良いの
そばにいるだけで
私のことなんか
見えてなくても
ずっと好きだから



つーかあんな女のどこが良いんだよチクショウ。

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本日の魔法講座 その296

撥つ音
眉濡らしつる ゆめゆめ
漂へる ことばは
ただひとり きみへ ぼくへ
魔法よ どうか消えないで

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スリ

盗まれた
盗まれた

どんなに探しても
どこを探っても
何一つ見つからない

お金とか
持ち物とか
目に見えるものじゃなくて

心を
心を

今の大人達に
今から大人になる人達に

上手に
気づかない内に

盗まれた
盗まれた

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きらきら

水の中の君はきらきら
グラウンドの君もきらきら
芝生の上の君がきらきら
気が見つめるボールはころころ

輝いてるね運動部
青春してるね運動部
かっこいいよ運動部

長崎県は高総体
絶賛青春中

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無題

何故か筋肉痛の脚、何故か溜まっていくホコリ
形が悪い野菜、情けない根性
人に聞かれたくないけど本当は誰かに聞いて
欲しい心の呟き、見るもの全てにおびえる自分

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誰か

もうダメだ
僕を守ってたベールは消えてしまった
笑う仮面にはヒビが入ってしまった
人に合わせて動けなくなってしまった

この世界で生きるには不可欠だったのに
あいつのいうことは絶対だったのに
必死に隠してた本当の声が漏れてしまう

みんなの視線が怖い
どう思われてるのか怖い
明日、自分の居場所があるのか分からない
もし、誰も僕を認識しなかったら…

いやだよ 怖いよ
誰か助けてよ
僕の心が闇に呑まれる前に

誰か、その手を
握らせて