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-季節 ⅩⅨ-

「……ん。一応ね。友達…だよな?」
桜尾さんが心配そうな顔をして彩生さんを見た。
「うん。友達やと思ってるよ、俺は」
(!関西弁?!)
彩生さん、関西弁だ。
関西出身なのか?でも桜尾さんは関西ではないって言ってたし。
(桜尾さんは生まれは山形県、育ちは色々らしい。親が転勤族だからだそうだ)
「そ。リュウは関西出身なんだ」
彩生さんのことを'リュウ'と言った。
やっぱりフレンドリーなようだ。

「で?何でここに?」
桜尾さんが彩生さんにまた尋ねた。
今度は少し優しく言った。
「忘れたん?俺の力」
“俺の力”?
彼も桜尾さんと同じように“特殊な能力”を持っているのだろうか。
「…聞きたい?」
すごく楽しそうに桜尾さんが聞いてきた。
何を考えているのだろうか。
「はい。聞きたいです」
私の代わりに夏川くんが答えた。
「じゃ自分で言って、リュウ」
桜尾さんに言われ、彩生さんは素直に頷いた。

「巳汐が心を読めるってことは知ってるんやんね。俺の力は未来を見れるんです」

………?!“未来を見れる”?!
それって!

「予知能力?!」

夏川くんが先に答えた。

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ねむいねむれないねれないねる
つまらないつまりたいつまり
よるのブルーライトちかちかするぜ
お先真っ暗より
先があるかもわからない
のにね
明日がくるかわからないけど
きたらまた生きていくよ
どうにかこうにか生きていく

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ココロウルワシ。

雨上がり
湿った空気
湿った地面
心も雨が上がる
湿った心
潤った心と言うべきか
カラカラではいけない
どしゃ降りでもいけない
ちょうどいいのが
雨上がり

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ALL OF YOU

いつまでも見つめていたいと そんな願いも虚しく

貴女は朝が来れば新しい服を着てまた走り出す

そんな日々の繰り返しでも 貴女と居れるこの瞬間がいとおしい

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異形の愛。

貴女の血を下さい。

吸血鬼が貴女に迫る

私でなくてもよいでしょう。
貴女でなければならないのです。
何故そんなにこだわるのです?
貴女でなければならないからです。
どうして私でなければならないのです?

吸血鬼が貴女にキスをする

貴女を愛しているからです。

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つ・ま・り!はいらない。

君を好きだと認めたくない。
もう、誰も好きにはなりたくない。
なのにさ、なんでかな。
なんで、目で追っちゃうのかな!
こんな自分にイライラするなあ。
いやだないやだないやだな!
誰か助けて!

いや、助けろ!!

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-季節 ⅩⅧ-

扉の前に立った彼とカウンターの上で頬杖をついている桜尾さんを交互に見ていたら二人の表情がいきなり変わった。
彼の方はとても嬉しそうに。
桜尾さんも……?なんだか迷惑そうな顔だ…。

「巳汐!!」

金髪に近い茶髪の彼が嬉しそうに叫んだ。
えっ…?知り合い?しかも下の名前を呼び捨て……。
桜尾さんは頬杖をついたまま、あからさまに嫌そうな顔をして、彼に言った。
「何でここがわかった?」
驚くほどに抑揚のない声だ。
機嫌が悪くなったのだろうと容易に想像できる。
「そ…そんなに怒んなくていいじゃん、巳汐」
扉の前に立つ彼がちょっと焦ってそう言った。
(誰なんだ?友達?)
そう考えていると桜尾さんが説明してくれた。
「彼は僕の高校時代の友人。名前は'彩り生きる'で'彩生'、'木の芽'で'木芽'。今はあんなだけど昔はよくいじめられてたんだ。それを僕が助けてしまってつるまれるようになった、と」

“彩生 木芽” さん。
パッと見金髪の髪に、カラフルなシャツに白のパーカー。下はジーンズズボン。
単調な服装の桜尾さんに比べると派手だ。

(ホントに友達?)

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やけくそ

必死こいて今にしがみついているのに、未来なんてみたくない、しりたくない。

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シューアイス『三好の場合』その2

てかさ、マジでワケわかんないんだけど。ハルヒコのやつは暴れるだけ暴れて神崎に連れ去られちゃうし、神崎はウチらガン無視でどっか行っちゃうし、誰が後片付けとかすると思ってんのかな。5組の連中はとっくにノビてて使いもんにならないし、あたしもソッコーバックレたいんだけどヤマセンに見つかっちゃって逃げられなくなったじゃんよ。ヤマセンこういうときのタイミングマジでサイアク。本気でヤバい時には居ないくせにさ。てわけで渋々教室かたしてる訳だけど、マジでだる。意味わかんない。え、神崎は加藤のなんなわけ?あいつら付き合ってんの?それシュー教的にマズくない?神崎って確かシューアイス正教の司祭の娘とかで、ウチの学校の行事とか仕切ってるし、アイシストの加藤と付き合っちゃったらサイアク破門じゃん。まわりには隠して付き合ってましたーとか?でも今回の件で身バレしちゃったねざんねーん。明日にはあいつの親父が学校に乗り込んでくるかもねー。って、あんなビッ○どうでもよくて。あたしどうすんのよって話。いや別に加藤のことホンキとかそういうんじゃないんだけど、これチャンスじゃない?神崎がハルヒコしめてる間に加藤を保健室連れてって二人っきりみたいな?やば、片付けしてる場合じゃないって。って思って髪整えて加藤のとこ駆け寄ったら秋口が教室の後ろのドア開けて入ってきた。ガラッて、勢い良く。「掃除中。汚れるから入ってくんなよ豚。」秋口の髪の先が乱れてる。あたしにはわかる。また後藤田とあってたんだ。ったくどいつもこいつも汚ならしいなあ!

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昨夜は雨あがり

月光写真は光と影の色。

タイプなんて知らない恋愛論。
きみの形をぼくは知らないのに、
ぜんぶあの子の所為にして、
田んぼの蛙に寝かしつけてもらって、
吹いたら消えそうな灯り、枕に被せたバスタオル
ぜんぶ返したら何故か淋しいゴミ箱の色。