表示件数
2

雨と、明日と

優しい雨が降って、
紫陽花をそっと揺らして

傘についた雫を払いながら溜息を一つ
猫の尻尾がそれをたまたま弾いたら

湿気を含んで重たくなった心を
少しだけ、軽くした気がした

また明日、
少しだけ、頑張れる気がした

1

ねえ、6月
なんにもいいこと
なかったよ

押し寄せてくる 青の上から
吐き出していく 幾千の色
ゆっくり
しずかに
重ねていって

やあ、7月
なかよくしような
よろしくね




リズムに気をつけて作っているつもりですが、逆に分かりにくくなってるかも…どうですかね?

0

幸せになりたかっただけなの

毒林檎の皮で染め上げた唇でキスをしてから、叩き割ったガラスの靴で心臓を突いた。そうしてゆっくり君を壊して、こうしてあっさり君は壊れた。すべては君が優しいせいだった。乳白のもやを緩やかに切り裂き、淡藤から瑠璃に変わりゆく空を見上げた。もう少し早く、その美しさに気が付きたかった。私のせいで赤黒くなった君の隣へ寝転ぶ。毒林檎の皮だった雫とガラスの靴だった破片、それからこんなときですら柔らかな東雲、そんなものにまみれて私も眠ろう。太陽をびっくりさせてしまう前に眠ろう。

すべては君が優しいせいだった。
君があんまり優しいせいだった。

0

あなたがいたなら

私達の小さな命。
もしもあの時
あなたの声を聞いていたのなら
今こうして手紙を書くことはなかったのだろう。
私達はあの夜
小さなあなたを失った。
ごめんね。
私達はあなたの顔が見たかった。
声が聞きたかった。
今もあなたは、私達の中で生き続けているわ。

綺麗な月夜の日。
私達はあなたに会いたかった。

0

世界中の戦っている人へ

一生懸命頑張る君の
涙は無駄にならないよ
一生懸命やると言い訳ができなくて
失敗した時すごく悔しくなる
でも
一生懸命やることで
いつかあいつを見返せるんだ
一生懸命やることは
絶対恥ずかしくなんかないんだ

0

skyblue to colorful

もし雨に色を付けたら
きっときれいなんだろうと
小さな科学者は考えました

実験は成功でした
科学者は、カラフルに色づいた雨を
ずっと眺めていました
科学者は、幸せでした

科学者はふと
足元に目を向けました
そして愕然としました
そこにあったのは
混ざり合った色彩が生み出す絶望の色
科学者は人の過ちを知りました

どこにでもある話にみえる
でも本当にどこにでもあったら
世界って
もうちょっといいものだったんじゃないかな

0

無題

あの頃の君は可愛かった
あの頃きみを可愛がった
恋だから 好きなのに 愛故に
なぜだろう僕は
わけもなくどうしようもなく
あの娘のことが好きで好きで
たまらなかった
しょうがなかった
そろそろ寝ます
あさっての今頃
もう一度きみに
会えたらいいな


0

真夏のしゃぼん玉

人間って
集まると温かいよね 暑いよね
自分がどこへ進んでるかもわからない 熱狂
集団の意思に呑み込まれてしまう
僕は醒めてるせいで
僕には理解ができなかったから
仕方ないのかな
こうして
息ができなくなっていくのは
浮かんで
浮かんで
小さく 弾けた

0

もう一度を永遠に。

思い通りの世界でも、あなたがいなきゃ意味なんてない。
時を越えても、超えられないのは、あなたとの時間が輝いてるから。
サヨナラいつかまた会いましょう。
私は変わらずここにいるから。

4

はっぴいえんど。

絵に描いたのが幸せなら、
絵描きじゃないぼくだって幸せになれるかな。

ハッピーエンドだけが物語なら、
ぼくだって作り物で構わないよね。

お伽噺はきみの庭で、昔話はぼくの部屋で、
おはようって云いたくて、雨降りの晩に、
ずっしり濡れた傘を仕舞いたくなかった。