雨の日。
濡れる。
髪がまとまらない。
通学時間が長くなる。
でも雨の日が好き。
「お前、雨なのに嬉しそうだな??」
濡れるし。
髪がまとまらないし。
通学時間が長くなる。
だけどね、
君といれる時間も長くなる日でもあった。り。
「あ、雨の日が好きなんよー」
雨の日じゃなくて君が好き。
なんて。言える雨の日はやく来て。笑
雨粒が屋根へと降りて
彼等の足音があの人を起こす
ふるり と揺らいだ睫毛の
其の先に留まった雫には
ふんだんな憂いが渦巻いている
閉じきらないカーテンの
其の隙から漏れた街灯が
鴨頭草色の渦を突き刺して
けれど砕くには少し足りない
ふんだんな憂いの
渦を砕く月影には
分厚い雲が掛かって
その優しい眼差しは注がれない
彼等の足音に起きたあの人は
幾らかの瞬きの後
溜息で掻き混ぜた憂いを
自らの指で砕いてみせた