好きですって嘘付いた
繰り返したら そのうち
それが本当になるって思ってた
おっきくなったら恋愛なんて
当たり前にできるようになると
みーんな そう言ったの。でもね?
思春期が過ぎて成人式が来て
私にはカレシができたけど
愛してるって睦言には頷くのが精一杯だった
好きってなあに?
恋ってなあに?
子どもみたような問い掛けが
私の中を ぐるぐるするの
でもね? 聞いたって みーんな
そのうち分かるって
考えれば分かるって
人の心を持つなら当然だって
そんなことばかりを繰り返すから
だからね? 私 ありがとうって
微笑むことを覚えたの
得体の知れないモノを
さも嬉しそうに受け取る術を
そうやって笑うたんびにね。
誰にも すくわれない子どもを
私 静かに捻り潰したの。
何度も何度も この指で捻り潰したの。
こころのひとつに君がいて、
募った想いの分だけ大きくなった
握った手のひらとか
抱き締めて触れた背中とか
好きと嫌いは風船のようだと思った
別れれば小さくなっていくのに
消えてはいかないところでさえも
だから
終わりなんて
この先ずっと、来ないんだろうね。
幸せなことに不慣れだから
ちゃんと喜べてるのか不安になる
いつのまにか見て見ぬ振りばっかり
こんなに巧くなっちゃった
たったひとつを欲しがった
あの日のわたしが
きょうの歓声に、きっと 救われたよ
気持ちを音にのせて届けること
伝える とか、ずいぶんむつかしいものだ
果てなんて見えないけれど
ここがゴールじゃないのは間違いないな
まだ前を見ていたい
手をつないで歩いてゆきたい
世界中に響くようにありがとうを言いたい気持ちさ!
欲しいもの
大好きなクッキー
リュック
漫画
時間
タイムマシーン
笑い合える仲間
自信
居場所
はながあきをかぎとりました、
くんくん。ふん。ふん。ふむ。
懐かしい、甘い香り。
わたしがこの世にはじめましてをした
あの日もこんな優しい匂いに
包まれていたのだろうか
あっという間に通り過ぎてくあきを
胸いっぱいに吸い込んで
橙色した小さな花を
愛しく思う
今だけの気持ち
愛されていた
記憶はここに
こういうときにみんなに会って。
こういうときにみんなでご飯。
こういうときにみんなで笑って。
こういうときにみんなで写真たくさん撮って。
ずるいよ。こっちの方が楽しいなって思っちゃうじゃん。
ずるいよ。みんながきらきらするから、自分が醜く見える。
いいのかな、このままで。
いいのかな、そこを目指して。
いいのかな、分からないから。
いいのか、悪いのかも分からない。
正解か、不正解かも分からない。
もし進んだ道が違ったら怖いから。
だからあたしは前に進めない。
ほらね、僕が笑えば君が笑う
この瞬間が好きで、この居場所を守りたいんだ
暗闇から抜け出してくれた、君のやさしさ忘れない
ときどき、ひどいこと言ったりするよね。ごめん。
でも、本当は大好きで、なかなか言えないから、笑顔で嫌いだなんて・・・
でも、感謝してるんだ。
救い出してくれて、ありがとう。
不愛想だ。薄情だ。面白くない。
嗚咽感すら込上げてくる。
愛さえも貰えないのなら人間である価値などない。
僕らみたいな動物は結局自分が大事なのだ。
出会えたことが既に奇跡って直ぐに気付ければ
その先なんて、あわよくば君に愛されたいなんて
願ったりはしないのに
大切なものは手元に残してたはずだった。
決断を迫られて大切なものは残そうと
必死にもがいたはずだったのに。
でも間違ってた。
大切なものがある選択肢を切り捨ててた。
ほんとに大切なものってどうしたら後悔しないで手元に残しておける?
夕涼みみたいな風が今更に
今年のトレンドのマフラーになるらしいね
名づけようのない気持ちと
大切にしていた50円玉が
眼鏡をはずした その瞬間、瞬間に
この世界のどこにも
わたしがいないような気がする
嫌い嫌い嫌いこんな言葉を言う自分が
一番嫌い
愛想振り撒いて笑ってる子をみるとイライラする
なんで自分だけがこんなに大変な思いしてるのか
よく分からなくなるから。
こんな私の事君は嫌い?
「あたし好きな人出来たんだ〜」
「へ、へぇ〜」
「隣のクラスの〇〇君なんだけど〜
顔いいし優しいしさ〜」
「確かにカッコいいよね〜」
一応、いつも通りの笑顔のつもりだけど…。
もとからアシンメトリーな顔が更に歪に歪んだ。
言葉のない世界はどんなだろう
周りの景色がどんな風に見えるんだろう
伝えたい思いは伝わるのかな
「なんで僕と付き合ってくれたの?」
そう聞くと彼女は一瞥もくれずに、すんか、と言った。付き合って一年と半年になる日曜の昼下がりだ。
「すんか?」僕は聞き返す。すんか……寸暇? それとも何かと間違えてるのかな。す、す、す……すし……あーお寿司食べたい……じゃなくって!
「どういう意味?」
「メールで。変換ミスして」
聞くところによると、彼女を初めてデートに誘った時の僕のメールが、「もし良かったら今度一緒にご飯行きますんか」だったらしい。あんまり記憶にないけれど恥ずかしい。当時気付いていたら二度と顔も合わせられなかったくらいの恥ずかしさだ。ちなみに交際の申し込みを切り出せたのは、それから3ヶ月は経っていた気がする。
「じゃあそこで変換ミスしてなかったら付き合ってなかったの?」とこれは冗談だったのだけど、「うん」と真顔で彼女。
「ええぇ! そんな! 僕ってそこだけなの?!」
「でもそんなもんでしょ」
「そんなもん?」
「そんなもん」
強引にまるめこまれたような。釈然としないままごろんと体を床に投げ出す。この会話の流れなら今度は彼女があの質問をしてくるべきではないか。そう思ったけれど一向に彼女が口を開く気配がない。畜生、聞かなくたってお見通しだって? そりゃ確かに僕の方はベタ惚れだけどさ。悔しいから向こうが聞いてくるまでは黙ってやろう。そんな、報復になるのか分からない報復を試みる。
と、その時彼女がこちらを向いた。やっぱり? 参った? 僕は少し鼻高々に待ち構えた。
「好きよ」
勝者、彼女。
雨の日。
濡れる。
髪がまとまらない。
通学時間が長くなる。
でも雨の日が好き。
「お前、雨なのに嬉しそうだな??」
濡れるし。
髪がまとまらないし。
通学時間が長くなる。
だけどね、
君といれる時間も長くなる日でもあった。り。
「あ、雨の日が好きなんよー」
雨の日じゃなくて君が好き。
なんて。言える雨の日はやく来て。笑
雨粒が屋根へと降りて
彼等の足音があの人を起こす
ふるり と揺らいだ睫毛の
其の先に留まった雫には
ふんだんな憂いが渦巻いている
閉じきらないカーテンの
其の隙から漏れた街灯が
鴨頭草色の渦を突き刺して
けれど砕くには少し足りない
ふんだんな憂いの
渦を砕く月影には
分厚い雲が掛かって
その優しい眼差しは注がれない
彼等の足音に起きたあの人は
幾らかの瞬きの後
溜息で掻き混ぜた憂いを
自らの指で砕いてみせた