天と地を知った時
地を見て歩むか
地を踏みしめながら天を見て歩むか
自分は
まだ底辺だと言いながら死んでいくその日まで
てっぺんを見ながら歩いていきたい
太陽がコンクリートを焼いている
私は足を焦がさないように
パタパタと交互に地面から離す
水飛沫が程よく焼けた肌にかかる
日焼け止めが取れるなんて
今更心配したところでかわらない
水面に反射する太陽光
逃げるようにして
帽子を深く被る
「よーい、はい」
プールサイドに響く自分の声
水の中を真っ直ぐ進み遠ざかる影
大嫌いだった夏
大好きな夏
あなたを見ているとやっぱり
あなたじゃないあなたが重なるの
でもね、なんだかね、そうだね
後ろ振り返って欲しいんだよ
ぐったりしている
見れば分かる
それももはやアピールなのかな
待った無しで進む
時間も覚悟も無いままに何処へ行けば?
苦しい
狂っている
怖い
強ばっている
震える背中を合図にして
ここまで。ここまで。
ぷるるるる
あ、もしもし
「只今電話に出ることが出来ません。ピーとなったら…」
ガチャ、
こんなことの繰り返し
いつまで電話の中のお堅い方の話を聞けばいいのだろう
メッセージに残すにはもったいない
あなたの声が聞きたくて
10分おきに電話したい気持ちを
あえてバラバラな時間にずらしてる
どうやら今日はとても長い一日のようです
もし大好きって叫んだ言葉が
何処かへ消えてしまっても
またその言葉を叫ぶから
なんて 当たり前な事
そんな事言ってみたいな
でもね。君が好きなのかまだ自信もない、よ…
でも…
これだけは言える
君にそのうち、恋をする。
大好きって叫んだ言葉を忘れてしまったとしても
きっと君に恋した瞬間は忘れられない
青チャートをテスト前に渡した君
2人で覗き込んだ数学の問題
嗚呼、数学嫌いで仕方ないけど
そう言う事をしてくれるなら
大好きって叫んだ言葉も
恋した瞬間も
意味があったんだね
夜空をひっくり返して
また君の笑顔を見てみたい
でもまだとなりで寝息をたてる
君の寝顔を見ていたい