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屁理屈と退屈

許容量の大きさを妥協好きと呼び
自分の要領の悪さに嫌気がさす
テレビでは横領の報道
本人 曰く 「魔が差した」んだって
魔が差した 良い言葉だよなぁ
便利で使い勝手の 良い言葉
空回りを続けたせいでいつからか
どっちが上かもわからなくなった
ひねくれた頭とねじ曲がった天然パーマ
心と言葉が距離を置く

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花火

極彩色の夜に灰色人間は似合わない。
部屋の窓から顔を出して
夜風の生暖かさを頬に感じて
イヤホンが流し込む
不倫を叩かれた某ミュージシャンの
嫌味な言葉を脳の直前で塞き止めて
妙に心地良いその音だけを
鼻息に混ぜて夜風にのせる
爆音に掻き消されたであろうその鼻唄を
頭の中でながし直す

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いぬと即興詩。

高いたかい、雲だけがしろく浮いた成層圏まで
そらを飛びたくなるのはいつだって、秋だ。
赤い紐で繋がった柴犬とぼくが同じそらをみて
思うのはたぶん、同じそらのこと。
夏がおわる 風がふいたよ、

(夕暮れがはじまる寸前に。)

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LOST MEMORIES CⅣⅩⅥ

「正直、ここまでとは思っていませんでした。完全に私の落ち度です、すみません。」
顔はうずめたまま、彼にしては珍しく聞こえにくい声で話す。上半身は起こしたまま、黙って耳を傾けた。決してチャールズのせいではないのだが、とりあえずは。
「その指輪……例のヴァンパイアの彼ですか?」
「ええ、随身具ですって。彼、成人していたみたい。」
しばし沈黙。
「彼はどうしたんでしょうか。」
ぽつりと、心許ない声でチャールズは呟く。
瑛瑠は、もしかしたら自分は想像以上にチャールズに心配をかけたのだろうかと思い至る。ここまで不安げなのはみたことがない。
チャールズの呟きはもっともだ。同じ特殊型として、ウルフと相性が悪いことはわかりきっている。
“僕は大丈夫”と、たしかそんなことを言っていたか。あそこまで言い切れるのは、何か策があるからだろうと思っていたが、それが何なのかは思いつかない。
「まったく、自分が情けないです。」
吐き捨てるように言われ、瑛瑠は閉口する。
え、どうしよう。なぜ。学校にいたし、仕方のないことだ。
そう、声をかけようと思っていた瑛瑠が、あまりにも子供っぽい返答で呆れるまで、あと5秒。

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恋の色眼鏡

君を見ると眼鏡の色が変わる
ふいに目が合うとピンクに
他の子と話してるのを見るとグレーに
帰ってるのを見ると見えなくなる
どうしてだろう
レンズは同じなのに
君は魔法を使えるのかい?
それとも私かな?
明日は何色かな
恋の色眼鏡

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3行ポエム

自分を曲げて人に好かれるくらいなら、自分貫いて嫌われる方が性にあってる。人に好かれても自分を嫌うのは御免被りたいね。

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自由

自由って言葉の意味は自由じゃないんだよなぁ
人を傷つける自由
これは自由じゃないんだよ
善からどれを選ぶか
これが自由