冷えた空気
君の体温
シーツの衣摺れ
重く
ゆるやかな
静寂
君の囁き声
紅く熱い
心臓
温度をなくした
私の手
君の気配
遠のく意識
唇に触れた
何か
それが何か
知ろうとはしない
誰かの一番になれたら
それだけで明日も服を着てご飯を食べようと思える
誰かがこの声を聞いてくれて
わがままを言えば好きだと思えてくれたらもっと。
好きな人がすぐそばにいるってこと、目に入るキョリにいるってことってとても幸せことだね。世界中には好きな人に会いたくても会えない人もいる。。。
その分、私は好きな人がいつでも会えるキョリにいるんだから、ゼイタクは言っちゃいけないんだよね。
でも。。。私は欲深いから、いくら近いキョリにいるといっても、あなたと話したいし、声を聞きたい、あなたに触れたい・・・こんな願いがどんどん溢れてくる。
私、今欲しいものCD、雑誌・・・全部いらないから、このあなたに関する願いだけは叶えて欲しい。
神様私の願いを叶えてください・・・
三日前のゆめでみたホコリ色した立方体。精密で胃液が上に伝うその中では半熟で気化しないものがあって
あったかい缶コーヒーを3mm<10cmの間隔で並べてその上をトムクルーズのように飛びつづけても夜はしぶとく生き延び追いつくから
選択死は倫敦の自販機まで明日のぶんを買いに行くか、洗いざらいポケットの裏布まで見せつけるかどっちかしか
判別はできないけど嘘ついてごめん。何もかもが薄暗いシアターで映画をみているようなんだ。たのむから忘れたことも失った空の飛び方を教えてくれないか。どうか
落とし穴
はまってしまっていた二日間
今はいあがろうとするけど
方法がわからない
次の日の朝、起きたら携帯に連絡が入っていた。犯人が捕まったらしい。高橋陽介…高橋?昨日の話した警察の人も高橋さんだった。でも高橋さんなんて沢山いるからたまたまだろう。しかも疑ったらその人に失礼だ。
しばらくしてその犯人と話すことが出来ることになり僕は面会室に入った。そこに居たのは事情聴取したあの高橋さんだった。一気に怒りが湧いてきた。
「どうして、どうしてひなを殺したんですか!」
「俺がひなと付き合ってたからだよ。だからひなを殺した。でも綺麗なひなのままでいて欲しかった。だから綺麗なままで残るように殺して綺麗にしてあげて最後に花瓶に挿してあった憎い君からのプレゼントを彼女に持たせてあげたんだよ。あの夜俺はひなに別れを告げられたんだ。他に好きな人がいるって。そんなこと言われたら許せなくて君には申し訳ないけど殺させてもらった。」
「それなら僕を殺せばよかったじゃないか!そしたらお前はひなと一緒にいられたし邪魔者もいなくなるだろ!」
「ひなは君の方が好きだったんだよ。どうせ俺にはもう飽きてたんだよ。だから君を殺したらひなが悲しむ。ひなが悲しむのは見たくないからね。」
「だからって殺していいことにはならないだろ!もういいです。あなたなんかと話したくないです。」
僕は勢いよく部屋を出ていってしまった。あいつの顔を見てると怒りしかなくて声も聞きたくなかった。なんだよ。ひなのためにひなを殺したなんて。意味がわからない。どこがひなのためになってるんだよ。
3年経った今は仕事も順調にいってて新しい彼女もできた。付き合い始めて1年と少しがたったところだ。付き合ってちょうど1年の日に僕はプロポーズをして結婚することが決まっている。
ひなの三回忌に行って色々思い出していた。犯人のこととか殺される前の日のひなとか僕が最後に見た殺されたひなとか。あの美しいひなの姿を忘れるわけがない。今も鮮明に覚えている。怖いぐらいに。
指先が触れた。
満面の笑みの君の写真に。写真の君の頬は赤く染っていた。僕が撮ってあげた写真だからかもしれない。
僕は手を合わせた。
どうして君は死んでしまったのか。
犯人はどうして殺してしまったのか。
赤い花がよく似合う君はどうして僕の前からいなくなってしまったのか。
考えても、考えても、答えはどこにもなかった。
指先が触れた。
見とれて息をするのを忘れるほどの綺麗な赤い花に。
その花を摘んで君に渡すと君は笑って「ありがとう。」と言った。君は頬を赤く染めた。その赤い花はとてもよく似合っていた。
「また明日ね」
「じゃあね!バイバイ!」
君は元気に手を振っていた。
僕が道の角を曲がるまで。
次の日、彼女…ひなはひなの家で死んでいた。
口に昨日渡した赤い花がくわえられていた。仰向けにしてあって外傷もなくいつもの綺麗なひなのままだった…いや、いつもよりも美しかった。その赤い花はやっぱりよく似合っていた。でも頬に赤みがない。それに気づくとやはり死んでいるんだとやっと自分の中で理解出来た。
「すみません。警察のものです。高橋と言います。神田さんとはどういうご関係でしょうか?」
「一応…お付き合いをしていました。」
「お話伺ってもよろしいですか?」
「はい。」
警察には昨日ひなといつ別れたのか、犯行推定時刻には何をしていたかとか色々聞かれたけど僕が殺した訳では無いから素直に話した。
「答えていただきありがとうございました。……お綺麗ですね。」
「あ、えっと、そうですね。まさか僕にこんな綺麗な彼女ができるとは思ってなかったです。実は今日付き合ってから1年なんですよ。だから結婚して欲しいと言うつもりだったんですよ…なのに…許せないですよ…なんでひなが…」
「そうだったんですか。それは残念でしたね。ハンカチいりますか?」
「い、いや僕も持ってるんで大丈夫です。ありがとうございます。」
僕はハンカチを取り出して止めようにも止まらない涙を拭いた。このハンカチは僕の誕生日にひながくれたものだった。
これ以上僕にはどうにも出来ないし警察の方にも帰っていいと言われたから家に帰った。ふと棚に目をやるとひなとクリスマスに行った大きなツリーのイルミネーションの下で撮った写真が飾られてあった。もうひなのことを忘れようとしてその写真たてを伏せた。でもそんな簡単に忘れられるわけない。どうして今日なのか。どうして今日殺されたのか。せめて明日がよかった。告白してからがよかった。後悔ばかりが頭をよぎって同時に犯人への怒りも増すばかりだった。
ポエム掲示板だからポエムしかないのかと思ってたら小説を書いてる方もいらっしゃるんですね。
実は以前、Twitterのトレンドに「#書き出しと終わり」っていうのが入ってて、その名の通り書き出しと終わりを決めてくれるサイトみたいなのがあって。それで「指先が触れた。」で書き出し「答えはどこにもなかった。」で終わるというように出たので、2,000字弱のものを書いたのが放置してあるんです。せっかくなのでここに放ってみようと思います。
ほぼ初めて書いたので拙い文章ですし、長すぎたので繋がりも突然切ってしまったのでなんか変なところも多くありますし、ツッコミどころが多いかもしれませんがせっかくなので読んでください。次の書き込みから2回に分けて書きます。
タイトルは「赤い花がよく似合う君は」です。