さすがと言っていいのか、圭一さんに叱られた妹は、しかし叱られる前の落ち着きを取り戻していた。圭一さんの叱り方と慰め方がうまかったのか、それとも妹の気持ちが強いのか。むしろ叱られたあとの方が気持ちがすっきりしたみたいで、妹は圭一さんとよく話すようになった。私はそんな会話中に時折飛んでくる話の飛び火を適切にいなしながら、窓の外を眺めていた。
そろそろ高速道路を抜け、一般道に入る。インターチェンジが見えてきた。
車での移動は、圭一さんの友人宅に車を止めることでピリオドを打った。高速道路から降りて一般道を少し進んだところに、その目的地はあった。圭一さんが事前にお願いしたところ、その友人は快く車を駐車させることを許してくれたらしい。圭一さんには本当に頭が上がらない。お礼を言おうと思ったら、それはこの旅が完遂してからにしてねときれいなウィンクまで頂いた。どこまで爽やかなんだ、この人。
友人宅から数十分歩いて、電車を利用する。時刻は昼過ぎである。途中でスーパーに寄って昼食と、ついでに夕食も買った。氷枯村にもコンビニはあるらしいのだが、最終目的地とは距離が開いているためタイムロスしたくないとのこと。山あいの”ちょっとの距離”は、その実”道のりが長い”に他ならないので、そこの部分は全面的に同意する。
昼食にはまたおにぎりとお茶を選んだ。
I LOVE MUSIC
愛してやまない
何をするにも一緒
何があっても一緒
無くてはならない
I LOVE MUSIC
霊能者「ジェームズさん覚悟!」
黒い霊「無駄ダゼ!オ前如キ若者ニ俺ハ倒セネエヨ!」
霊能者「必殺!対霊パーンチ!」
黒い霊「何ダ、タダノパンチカ…ドグボォッ⁉」
霊能者「対霊ドロップキーック!」
黒い霊「エ、イヤ、チョ、待ッ、グハァッ!」
霊能者「とどめだー!」
黒い霊「イヤチョット待テ、タンマダタンm…アベシッ!」
霊能者「お前はもう死んでいる、というやつですよ」
青年「いや、そりゃあ霊なんだから、もう死んでるだろ」
霊能者「まったく青年さんったら、こういうのは楽しんだ者勝ちですよ」
青年「それは何か違くね?」
黒い霊「……クソゥ……コンナ奴ニ……コノ俺ガ負ケル………トハ………グフッ」
青年「お、消えた」
霊能者「除霊完了です」
男の霊「ヒェェ……。コイツ怖ェ……」
年寄りの霊「アリャ普通ノヤリ方ジャアナイゾ」
ネコの霊「ミャァオゥ………」
青年「確かにあれは知ってる除霊の方法じゃなかった」
霊能者「まあまあ良いじゃないですか」
教室に舞う蝶々。
太陽の光を浴びて嬉しいのかな。すごくご機嫌。
昨日まで雨だったもんね、そりゃ嬉しくもなるさ。けど、はしゃぎすぎだぞ。
いきものたちのそれぞれのじかん。
わたしは、それをみつけるのが好き。
言葉に必然性はなくて
言葉は人間が作り上げたもので
言葉はいくらでも作り変えられる
はずなのに動かし様のない崇高なものだと錯覚し
逆に人間を束縛し支配する
秩序を創造する機能から
ものを指し示すだけの道具へなりさがる
ゆえに私は
沈黙する言葉であってほしくて
語る絵画であってほしいと思うのです
このどうにもならない恋を打破するには
僕が一歩を踏み出すしかないのかい?
君のその余裕ぶった笑顔も
悔しいけど大好きなんだ
僕は
僕は
僕は
君の恋人になりたいのです。
言葉足らずな君の言葉を全てかき集めても
あの子の1つには及ばないのね
それなのにどうして、進めないんだろう
君はビターは嫌いだったっけ
少し甘いほうがいいらしい
ほろ苦い毎日にちょっぴり甘い
でもホワイトほど甘すぎても
舌がおかしくなっちゃうので
あくまで少し、がいいらしい
ホットチョコレートもいいけれど
胃が重たくなっちゃうから
そうなったらしばらくは要らないって
君は言いそうだからやっぱり駄目
お酒とか乾燥果実とかが入ってるのもあるけど
それは大人になってからね
そしたら一緒にいろんな味を楽しみましょ?
他愛もない話なんかと一緒にさ
お酒を酌み交わしてなんかしてたりして
ふふ、今から楽しみ
安いのは論外
君にあげるのだからどれだけ高くても安いくらい
そんな安物じゃ全然、伝わらないから
でも高いのも勘弁
とっても美味しいけど大抵は小さくて
すぐ無くなってしまうじゃない
それに最上級じゃなくて日常級の幸せを
君といつまでも味わっていたいから
そんな感じで、私は決めあぐねているのです
君にあげる chocolateを
「でも。きーめたっ」
ベイビーアイラブユーだぜ。2/14。
どこか遠くへ行きたいと思っていても
教室の窓の外の梅の木にうぐいすがいて嬉しくなったり
友だちとしゃべって楽しかったり
部活中にふと見上げた空の青さが眩しかったり
帰り道の夕焼けが綺麗だったり
好きなひとの声が聴きたくなったり
結局私の今の居場所は
ここなんだと気づく