今すぐに君の胸に飛び込んで
ごめんねって
無理しないでって
ありがとうって
そう言いたいけど
きっと君は
大丈夫だよ
の一点張りだろう
強い人とは言わないで
私を孤独にさせるだけの
真実なんていらないから
どうか嘘だと言ってくれ
忘れられるはずがないあの声で
私に「ひとり」を教えてくれ
また泣いて笑って踊って歌って
すべての夜に意味をくれ
泣きじゃくれる場所が見つからないんだ
叫ぶ言葉が出てこないんだ
また一歩を踏み出す先が
誰も居ない道なんて
あなたの知らぬ明日なんて
結月視点
「まあ、くだらねえ隠し事だから気にしないで。」
「何、何〜教えてよ〜」
「涼香のどん兵衛食った。」
「何食べてんのー!もー!」
ちなみに、これは本当だ。
でも、隠してるのは、時雨ちゃんがおかしくなったこと。教えたら涼香までおかしくなりそうだな。
涼香視点
やっぱり戻ってこないで、死んどいた方が良かったかなぁって思う。もうすぐ死んじゃうんだよな、あたし。少しでもみんなのために生きたい。
【続く】
目立ちたいのであれば死になさい
個性を出したいならば死になさい
でも、いざバックにいるモンスターを見ると
何も言えないのさ
黙って言うことを聞きなさい
一糸乱れず列に並びなさい
疑うことは許さない 反論することも許さない
気づいたら綺麗な○になって
小さな箱に敷き詰められていた
ここから出して 逃げ道はないよ
君はここから抜け出せやしない
無駄なもの全部洗い流して
必要な物かき集めて
何が正しいのかその頭で考えて
古き悪しき物はここらでやめにしよう
ヤイ先公
私達生徒が
大人しくお前らに従う従順な犬だと思っているのか
私達はお前らとは違う
「新しい学校の始まりだッ!」
最近、頭の中で悪魔が暴れまわる病気にかかってしまったようで、思いつくシーン全てにもれなく悪魔が混入します。
どなたかこの病気を治す方法をご存知ありませんか
3人はそれぞれ瑛瑠を見る。
そして、誰かが口を開く前に、瑛瑠が話す。
「付き人の話を聞いていると、たくさんの同級生さんが出てきます。
だから、あくまで私の考察ですが、私たちの他にも、人間界へ送り込まれてきている共有者の方はいると思うんです。
これが何らかのプロジェクトだった場合、4人で片付けられるとも思えませんしね。」
「だからといって、あの少女を共有者だなんて言わないよな?」
半信半疑というように英人が聞くものだから、思わず苦笑する。
「さすがに。でも、何かしら関係あるとは思っていますけどね。」
望は微笑む。
「それなら、遠くない未来にきっと会えるね。」
そうですねと微笑み返した瑛瑠は、不意に思い出したようにまばたきをして、望を見つめる。
「そうだ、望さん。次の休日、私と一緒に出掛けていただけませんか?」
望が、これでもかというほど目を丸くした。
怖くって言えなくって
一生懸命手で振り払って
それでも何も変わらなくって
こんなこと誰にも言えないな
嫌いだよ
こんな世界は
それでもあなたを嫌いになれなくて
こんな風にしているの
「私はここに問題を抱えている」
桜木ノアと名乗った少女はそう言った。右手で銃の形を作り、それを自らの頭に突きつけながら。
入学式後のLHR。まだ様子を伺っている生徒が多く、好きなものがなんだとか、誕生日はいつだとか、当たり障りないことを口にしていた中、彼女はそう言い放った。
そして、クラスメイトの大半が思ったことだろう。『たしかに頭がおかしそうだ』と。
知り合って間もない生徒たちが皆一様に呆気にとられる中で、彼女は「けれど!」と続けた。
「私はここでどうにか生きてやるつもりだから。よろしく」
念のため言っておくが、サバイバルゲームやデスゲームは実施されていない。ここはなんの特徴もないただの学校である。それにも関わらず、彼女は『生きてやる』と宣言した。
案の定、俺を含むクラスメイトは皆ポカンとしたまま、席に戻っていく桜木ノアを見送った。
桜木ノアが自己紹介をしたのは、まだクラスメイトの半数にさしかかろうかという時だったのだが、全員の自己紹介が終わってもなお、彼女の言葉は妙に記憶に残っていた。
実は、彼女はその時、自分の決意を込めて『生きてやる』と宣言していたのだ。だから、それは自己紹介と言うより、決意表明と言った方が正しかった。
だがもちろん、この時の俺はそんなことを知るよしもない。