「あぁ…まぁそうだよ。そうじゃなかったら追っ払ってる」
「俺もそんなだな。最初は耀平のノリに乗ってただけだけど」
「ボクは興味なかったよ? ただこれ以上関わり過ぎたら嫌な予感しかしないから、とにかく嫌だったけど」
今日一日、ネロの表情が終始不機嫌そうだった理由が分かってしまったような気がした。
少しの間、彼らはわたしを見つめていたが、耀平が「行こう」と言ったことで、また歩き始めた。
このままじゃ、彼らがわたしから離れていく―そう感じて、わたしは思わず叫んだ。
「わたしは、わたしは、ただみんなと仲良くしたいんです! だから興味だけで付き合ってるとしても―」
「―馬鹿なの?」
不意に、彼らは立ち止まった。
「…え?」
「…異能力者っていうのは、本来常人は絶対知らないものだ。その存在が知られないからこそ、今の”平穏”は保たれてんだ…」
耀平が、静かに振り向いた。その目は黄金色に光っている。
「…お前、異能力のことをすごいとか言ってたけど、アレはおれ達の”平穏”を崩すかもしれねぇんだ…―”異能力”にまつわる物事に、常人は下手に関わっちゃいけない…絶対にな」
いつの間にか、他の3人もこちらを向いていた。―彼らの目もまた、光っている。
イエローゴールド、ブルーグレー、ダークグリーン、そしてレッドパープルの光が、無言で強く訴えてくる。
―常人は、異能力に関わってはいけないと。
わたしは、金縛りにあったように動けなかった。
夕暮れの、薄暗い路地裏には、ただただ近くの大通りを走る車の音だけが、響いていた。
〈2.コマイヌ おわり〉
「さくらちゃん、あのね」
「なあに?」
「もう、あかりちゃんとなかよくしないで」
「どうして? あかりちゃんいい子だよ」
「でも、あかりちゃん、いつも家がお金持ちだってじまんしてるし。こないだも、海外行ったとか」
「そうね。たしかに鼻につくわね」
「じゃあもう、あかりちゃんとなかよくしないよね?」
「……人にはいいところも悪いところもあるわ。いいところも悪いところもあわせ持った人の集合体が社会。つまり社会にもいいところ、悪いところがあるわけよね」
「……さくらちゃん、なんかよくわからない。どうしたの? こわい」
「悪いところがあってもそれを補って余りあるよさがあればなかよくする価値は大いにあるわ。悪いところだけ見て逃げてたら実社会じゃやっていけないわよ」
「さくらちゃん……」
整然としたつめたい町と
ごみごみしたあつい町と
レトロなおんどのない町とを
せかせかしていてぼーっとしていたらはじき飛ばされてしまう場所と
がやがやしていてぼーっとしていたら名前を呼んでくれる場所と
しーんとしていてぼーっとしていたらほっておかれる場所とを
少年は生きてきた。
君たちの毎日が
彩やかに色づきますように
君たちの毎日に
哀しい色が滲みませんように
さくら色の季節に
祈りの花が満開に咲く
どんな不安も
あなたの言葉で
少しは和らいで
もうさー
あなたって
私を惚れさせるの凄く上手いよね
あーあ。どうしてくれるんだい?
また私はあなたに恋をしちゃいました
責任を取ってください
なんて。まぁ、私だけなんだと思うんだ
あなたのことがすきなんて
でも、あなたは別の人が好きってことは知っているよ。 だから私は言わないよ「好き」ってことは
言ったってあなたはさ断ることだろう…
別に言わなくてもいいだろう。
言わない限りあなたは私の願いを聞いて欲しいんだ。
それはね…
「あなたとあなたの好きな人と末長くお幸せに」
窓を開けて
涼しい風が通るとき
まだ早い
夏の香りを感じました
もしかすると夏が
待ち伏せしているのでしょうか
そろそろ貴方からの返信もくる頃でしょうか