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サインコサインタンジェント

 サインが言った。
「年をとるとわかる。形のあるものはいっときのものだが、思い出は一生ものだと」
「プロゲステロンはコレステロールから直接変換されるようだ」
 コサインがパソコンの画面から顔を上げてつぶやいた。
「甲殻類アレルギーは甲虫のアレルギーからきているのだろう」
 タンジェントが眼鏡を外して言った。
 わたしがサインとコサインとタンジェントについて語れるのはこんなもんだ。
 文句あんのか、だらぁ!

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好きな教科×好きな人

隣にの席の彼。私の好きな人。
彼は成績も良く、勉強もできて、おまけにイケメン。
そんなある日のことだった。
その日はテスト返しで、英語が返された。
私は91点。
彼はと言うと
同じ点数だった。
なんだか嬉しかった。
そして
「お、同じじゃん!英語、得意なの?」
「うん」 「英語、私好きなんだぁ」と私は言った。
すると彼は「俺も好きだよ。英語じゃなくてお前が」
へ?!
何言ってんのこいつ…
「え…ええ?!」何、急に…
「返事、欲しーなー」
彼は甘えっぽく言ってきた。
本当の気持ち伝えていいのかなっ
「わ、私もっ好き…です/////」
自分の顔が真っ赤になったのがわかった

「ふふっ嬉しい」
彼もにこやかな笑みを浮かべていた。
その後2人は長らく付き合いました。

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とまと

きみのきらいなとまと
きみがたべれるように
おいしくしてあげるね

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 再開のお知らせ

前々から知っている方はお久しぶり、初めての方は初めまして。どうも、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」の作者です。タイトルの通り、期末テストが終わったので連載再開します。と同時に、この物語とは別の物語を始めようかなと思います。ま、いつ始めるとかイマイチ決まってないのですが。5話くらいで終わる短いお話です。…おっと、話がそれましたので本題に戻りましょう。「ハブ ア ウィル」は今日掲載する「4.フェアリー ⑭」から再開です。あと、7月・8月はわりと時間があるので1日に2回ぐらい書き込んだり、番外編もちょいちょい作っていく予定。さて、「ハブ ア ウィル ―異能力者たち―」は今夜22時台に再開です。待ってくれた人、お待たせいたしました。

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マリオネットガール

目を開けると薄暗い部屋の中にいた。窓の向こうには1つのマリオネット人形。ぼんやりと考える。
私、なんでこんなとこに…?
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興味をそそられて入った場所はまるで異国の地、まさに異国。
アラビアンナイトに出てきそうな怪しくも美しい街だった。
活気にあふれる市場や、紫がかった色の空。
すっかり心を奪われてしまった。
子供達のはしゃぐ声。
おばさんが話す声。
どれも自分の知っているものとは違っていた。
深呼吸をする。乾いた空気が喉を撫でる。
この状況を不思議に思いながら、それでも受け入れる私がいる。
見上げた空が不意に陰った。
ぴかりと一筋の光が目の前を走る。
ざわざわと人が騒ぐ音。
燃えた1つの屋台。
肩で息をしながら走る。走る。
突然、視界が反転する。
痛い、いたい、いた…い。…痛くない…。
目を閉じる。
「雷にうたれたんだな、可哀想に」
なぜか一言だけ聞こえる。
体が動かない。
まるで人形みたいな私の体…。
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目の前にあるのは窓ではなかった。
鏡、だった。
映された自分の姿。
青と黄色の瞳、オッドアイ。
誰かに持ち上げてもらわないと決して動かない体。
「出番だよ」
ぎしりと体が音を立てた。



少女はそこで目を覚ました。

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異国からやってきた少女がひとり佇んでいた。
少女の、まるで金を鋳溶かしたような髪が夏の陽光を受けて溢れんばかりに輝いている。遠くの空の青を眺めていたその少女は、こちらを見ると笑いかけて寄ってくた。
「そんなに空が好きなのかい?」
「いいえ、違うわ。こちらの空は色が薄いと思っていたのよ」
そうかい、向こうの空の方がお好みかい? と訊くと、そんなことはないわと返ってきた。心がまだ遠くにあるような声だった。
「向こうの空は寒々しいほど青いの。夏なのに凍えてしまいそう。こちらの空は向こうのよりは温かいけど、でもなんだか嘘くさい青だわ。ひどくのっぺりしてるのね」
だからどっちもあまり好きではないわ、と明朗に話す少女。
「今夏はいつまでいるんだい?」
「全部お父さんの仕事しだい。私にはさっぱり分からないわ。でも少なくとも今日は大丈夫よ。お父さんが風邪をひいて寝込んでるの」
明日には治るわと自信ありげに話す少女の目には、疑いなど微塵も映っていなかった。
少女の眼。
彼女に嵌っているそれらの色は左右で違っている。虹彩異色症。俗にいうオッドアイだ。
「……うん、やっぱり青は嫌い。私の左目を取って、右目と同じ色にできないかしら」
カラーコンタクトならいいかしらと宣う少女が持つ目の色は青と金の二つ。左が青、右が金だ。空の色と、彼女の髪の色。
「そうか、青は嫌いか」
「ええ、嫌い。綺麗だし、愛おしいとも思うけどね。でもやっぱり好きになれないの」
「どうしてだい?」
「だってね、例えば水は青で表されるでしょう。雨も青で表されるでしょう。涙も青で表されるでしょう。私は人を憂鬱にさせたり悲しませたりするものは嫌いなの。……そう、たとえばあなたのことよ。キラー・クラウン」
青い涙が描かれているその顔から、低く嗤い声が漏れる。