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最初の5行

多分、多分だけど、半分確信もしている。いや、どうだろう…どうかな。いや、多分。
僕は今、大気圏に突入している。
理由はわからない。寧ろ教えて欲しいくらいだ。月面旅行の計画なんて立ててないはずだが。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 4.フェアリー ㉑

「あら、だぁれその子、お友達?」
見知らぬ背の高い女子生徒は、どこかわざとらしく尋ねる。
「うん、友達、ついさっき友達になったんだけどね」
亜理那がそう答えると、誰かは知らない女子生徒は、チラとわたしの方を見やった。
「…面白そうな子ね」
彼女はそうとだけ言って笑うと、亜理那にじゃあねとだけ言って、階段を階段を駆け上がっていった。
亜理那は、うんじゃあね、と彼女を目で追いながら手を振った。
「…今のは…」
わたしは思わず呟いた。
「あ、あの人? まぁ知り合い的な? そういう感じ~」
亜理那は笑顔で答える。
「もしかして異能力者?」
わたしは間髪入れずにさらに聞いた。というのも、何となくそんな気がしたからで。
「あ~、そこらへんは言えないな~」
だが、彼女はそう言って笑うだけだった。
そして、ほらサヤカ、帰ろう、と言って階段をまた下りだした。
…どうして亜理那は、彼女が異能力者かどうかハッキリ言わないのだろう。そして今のは一体…誰? 
わたしはさっきの女子生徒の事を気にしながら、亜理那に続いて階段を下りて行った。

〈4.フェアリー おわり〉

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最初の5行

「で?そのmorisakiとかいうポエマーが2Aの浅香君だと?」
「まだわかんない!かもしれないってこと!」
「そ、そう…」
「あんな凄い詩書く人が隣のクラスとかやばいでしょ!」
「ポエム書いてるとか浅香君がヤバそうだけど。」

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最初の5行

もう40日目となる僕らのかくれんぼ。残るニゲビトはあと5人らしい。コンクリートに囲まれたGPSは反応が無くなってしまうことは僕だけが知っているらしい。車椅子をのろのろと進める。鼠色の雨雲に、レッチリのカリフォルニケーションが似合いそうだ。さて、そろそろかな。

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ウィークエンドは終末の予感

月の満ち欠けと
火の海の海月を
水槽に移しながら
木陰で火葬場を見ていた
金網の向こうでは
土葬が基本
日和った頭を閉じ込める

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申請書類

生きることはそんなに辛いですか?

復讐はいけないことですか?

赤い空が見たいと願うのは
中二病の始まりですか?

きたない大人にあこがれるのは
異端者のすることですか?

愚者は社会に出てはいけませんか?

空気が凍ったら笑ってもいいですよね?

誰かに助けを求めれば、
私は救われますかね?

もしそれができたら私は天に帰りたい。

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赤い紅で花を咲かせて
良い香り?
冗談じゃない
水やりは貴方の仕事
花の匂いは知らないの
私、美しさなら知ってるわ

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「それがね、僕の思い込みだったみたい」
「そうなんだ」
「うん。きっと相手はどうでもよかったんだよ。 僕のことなんか。」
「そうかな」
「なんで?」
「いや、なんとなくね。」
「そっか」
「うん、きっと君のこと相手はずっとずっと好きなんだと思うよ」
「なんで?」
「いや、なんとなくね、そうおもったんだよ。」

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目を開けたら
世界は 真っ白

目を閉じれば
世界は色を無くす

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文学少女(4)

 倒れた原因は、「有り得ないくらいの高熱」だそうだ。
 医者が言うには、
「よくあれだけの熱で、学校に行けて授業が受けられたものだ。あのまま倒れ続けていたら、確実に死んでいた。偶然通りかかった人がいたから、失明だけで済んだ。失明だけで、本当に良かった」そうだ。
 しかし正直私には、どうやってここにいるのかとか、危機一髪だったとかは、どうでも良かった。それどころか私は、医者の言う「失明だけで良かった」という言葉に憤りすら感じた。私に重要だったのは、今から一生全く目が見えないという事だけだった。
『もう、本が読めない』
その事実は、本が一番大切で、読書で生活がまわっているような、孤独な十七歳の少女には耐えられない現実だった。
 入院してから一週間で退院した私は、「一人じゃ歩けないから」と、車椅子に乗せられた。私の緊急事態に母が呼んだのだろう。退院する日、父が来ていた。そして、私達は車に乗り、父の運転で私は自分の家まで帰ってきた。車から降りた車椅子の私を母が押し、家の中に入った。母に車椅子を押されながら、私は何も考えられず、ただ車椅子の上でボーっとしていた。しばらくすると、ドアが開く音がして、
「ほら、あなたの部屋よ」
と言いながら母が私を部屋の中に入れてくれた。私はあまり働かない頭のまま、記憶の中の自分の部屋を思い浮かべた。
 自分の机・ベットやタンス、机……。そして、部屋の大部分を占めている本棚……。
それを思い浮かべた途端、私は母に
「ごめん。ちょっと気持ちを落ち着かせたいから、一人にして」
と言った。母が部屋から出て行き、ドアが閉まる音を聞いたのを合図に、私は車椅子から立ち上がった。そして、手探りで机などから伝い歩き本棚につくと、そこに入っている本を掴み、床に投げつけた。そこから私は、手当たりしだい本達を投げていった。
「……んで。……、なんで……。なんで。なんで。なんでっ!!」
落ちた本で足が滑りそうになる中、そう叫びながら本を投げ捨てていると、涙がとめどなく溢れてきた。
「なんで!! なんで……。……なんでっ……」

~続~