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ほら

れもんの皮のところに
ちいさなちいさな雪の結晶

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銀河鉄道の深夜

私の命に
りんごくらいの価値があれば
それを
ジョバンニかカンパネルラに
食べてもらって
消えて
白鳥の駅で一眠り
しようかなって考えてたら
コンビニの自動ドアに
挟まれそうになったので
今から銀河ステーション行って
住民票もらってきます。
ばいばーい。

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秋に近づいた空に
なんだか訳もなく涙を流した
なんて
訳はちゃんとあったんだけれど
ただ寂しかったんだ
このまま泣くだけで終わるのはだめだって
そう決意した涙なんだ
こんな距離いらないから
どうか近くにいてほしい

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ちょっと違う日常

夏休みが終わった
いつもと変わらない学校
友達もクラスメイトも変わってない

先生の話を聞きながら、窓の外を眺める
ふとあの日のことを思い出す
あの日見た景色
あの日聴いた音楽
あの日会った人たち
言葉にできない感情が湧き上がる

そして何事もなかったかのように
また先生の話を聞く

いつもと変わらない学校
友達もクラスメイトも変わってない
でもちょっとだけ「何か」が変わった気がする

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コードロック

煩い煩い ロックンロールを
金に変えたら 静かになった
そんな気がして 誰かが叫ぶ
こんなのロックじゃねぇ!って

静かな静かな 革命が
起こったなんて 知らなくて
変なやつだと 誰かが笑う
その薄っぺらな光の中で

愛してるって言ってくれ
でも嘘つきは嫌なんだ。
愛してるんだ それでも
この世界が 終わっても


煩い煩い ロックンロールが
少しの間 止んだ時
寂しくなって 誰かが叫ぶ
いいからギターを鳴らせ!

それでもカエルがそこにいて
かわいい声で鳴いてたら
ロックバンドは立ち止まり
アンプをどかしてくれるのさ

愛してるぜ 君たちを
俺、嘘つきが嫌いでね。
愛してるんだ 君たちを
この世界が終わっても

愛してるぜ 君たちを
ロックンロールは本物さ
愛してるんだ 君たちを
この世界が 笑ってら

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易しい人

どっちの味方とかよくわからないし
どっちかに付かなきゃ怒るのもやめて

私の言うこと100個聞いたら帰らせてあげる
っていうのも散々疲れたよ

優しい人ってよく言われるけど
きっとそれは違う
相手の言い分 全部聞いてあげる
ただの易しい人さ

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 6.ハルピュイア ⑨

紹介することはできるけど、やっぱり面倒事が自分の身に起きそうな気がした。
うっかりしたら、”彼ら”がわたしから離れて行ってしまうかもしれないし…
でも、頭を下げてまでお願いされてるってなると、断るのもちょっとなぁ…
そう悶々と考えてるわたしの前にいる亜理那は、ふと思い出したように鷲尾さんの方を向いた。
「あ、そうだ、ハルカも加勢してよ。そのために呼んだんだし」
「嫌よ」
「え~何でぇ~?」
亜理那の誘いをすぐに拒否した鷲尾さんに対して、亜理那はさらに言う。
「ハルカは”異能力”の事を常人にバラシてしまった”異能力者”がどこの誰なのか気にならないの~? わたしはこの通りめちゃくちゃ気になってるんだけどさ」
その言葉を聞いて、不意に鷲尾さんは身じろぎした。
「…確かに、それがどこの誰かは気になるけど…」
「でしょでしょ~? それで、目の前にはその直結の知り合い! 誰か聞きだすチャンスだよ!」
ほんのちょっとだけ興味を持った鷲尾さんに、亜理那は番宣のごとく彼女に加勢するよう促す。