何故この世界から「悪」ってのがなくならないんだろうね
『人間が「正義」とか「悪」ってので人を測ろうとするからさ』
相変わらず君の言葉は小難しいね
『まあもう少し僕の話を聞きなよ。「悪」ってのは「正義」を正当化するためのものだ。勝利者が、多数派が全体としての意思を統一するために、敵を「悪」に仕立てあげる』
言いたいことはなんとなくわかったよ。
つまり、「正義」が存在するから「悪」も存在するってこと?
『大体そういうことさ。何故「悪」がなくならないのかって疑問は、何故「正義」がなくならないのかって疑問と同義なんだ』
じゃあ、何故「正義」はなくならないんだい?
『人が協同体を形成する以上、それと「正義」には切っても切れない関係ができる。「正義」がなければ民意の統一が上手くいかないからね。』
なるほどね。
君の主張を整理すると、人がまとまるために「悪」を設定して、「正義」でもってそれを正そうとする、ってことかい?
『大方合ってるよ。ただ、「正義」ってのが正しいとは言ってないはずだけど』
「正義」は絶対的に正しくないのかい?
『「正義」も「悪」も相対的なものだよ。源氏と平家を例に考えるといい。源氏にとってみれば平家は「悪」だ。でも平家側からすれば自分たちが「正義」だと考えるはずだ。』
確かにね。
色々考えさせられたよ。ありがとう
『どういたしまして。とは言っても、僕の言葉だって絶対的に正しいわけじゃない。正しさは個人の思考に内在するものだからね』
肝に命じておくよ。
ところで、前々から思っていたんだけど、君は一体何者なんだい?
『今はまだ知るべきじゃないよ。その時が来れば必ず話すと約束しよう』
そうか、君がそういうのならきっとそうすべきなんだろうね。
『悪いね』
構わないさ。別に君は「悪」じゃない。
『…上手く言ったつもりかい?』
それはあなたでした。
絶望の淵から私を救い出し、光の世界を見せてくれたのは。
光の世界でもなお、私の手を引き、共に歌い踊り喜びを分かち合ってくれたのは。
独りだった私に溢れんばかりの愛を注ぎ、暖かさで満たしてくれたのは。
あなたでした。
あなたは何かを隠しているみたいでした。
時折、無理をして笑う時があるのに気づいたのです。
聞き出してみると、やはりあなたは困っているようでした。
できる限りのことをしたいと思いました。私を救ってくれたのはあなたですから。
私が頑張っていることを、あなたは喜んでくれました。
けれど、私はあなたのことを何も知らないのだと今更気づきました。
名前も年齢も職業も住所も全てでたらめでした。
光の世界に出たはずの私を、もう一度絶望の中へ突き落としたのは、
それは、あなたでした。
それでも、あの暖かさが忘れられないのです。
「会いたい」
たった数日会ってないのに、毎日こう思う
たかが数日されど数日
周りからしたら短いかもだけど
私からしたらものすごく長い
授業抜け出したら逢いに行ける距離
今すぐ君に逢って抱きしめたい
話したいことだって山ほどある
でも私は
君が来てくれた方が嬉しいの
真面目な君がする訳ないとわかってる
でも逢いに来てほしい
2人で学校抜け出して
いっぱい青春したい
今すぐとは言わないけど
今すぐ来てほしい
この矛盾した心の中を
君で正していきたい
私はいつも
君を待ってるの
夕焼けを見た
バスの中から覗いた、
ビルの間から覗いた夕焼け
綺麗な紫
淡い桃色
言葉じゃ表せない綺麗な色
そこに浮かぶ小さな三日月
小さくても東京の街で見つけられるくらい
光っている三日月を見て
今日も生きててよかった
明日も頑張ろう
そう思うことが出来た
「さよならが人を強くさせる」のなら
あかあおきいろが
白にはならない
甘いミルクティーだけ
ずっとずっと好きでいたかった
君がコーヒーを好きだとしても
舌が痺れるくらいの甘さを
君にぶつけて私は好きになって欲しかった
阿蘇「しかし、山彦も鵺もどっか行っちまって、どうするよ?捕まえるも何も無いじゃんか……ってどうした一つ目?」
一目「ちょっと静かにしてくれ。今鵺を追ってるとこだから」
阿蘇「追ってるって……?ん、よく見たら何か出てるな……」
一つ目小僧の頭からはとても細い糸状の何かが出ていました。阿蘇さんがその糸に手を伸ばした瞬間、
一目「それに触るなァアッ!!」
思わず阿蘇さんは手を引っ込めます。
阿蘇「一体それは?」
一目「視神経に真皮の層でコーティングをしたものだ。これの先っちょに眼球を増やして鵺を追ってる。だから集中したいんだ」
阿蘇「そ、そうか」
数分後、一つ目小僧が叫びました。
一目「よっしゃ捉えたァ!」
阿蘇「どうした?」
一目「最高だ!鵺と一緒に山彦もいた!しかも変な奴のもとに集まってる!行くぞ!」
阿蘇「ふーん。よし、じゃあ俺ニ乗レ」
阿蘇さんが人外化して言いました。その姿はかつての姿以上に奇妙。身体の下の方から説明していきましょう。
背丈は6mほどで、蜘蛛を思わせる四本の脚が、一度下に曲がってから再び上に曲がって円盤状の腰に付いていて、そこから胴体が三つに別れて生えて、1mほど上で一つにまとまっています。胸部には一対の人間のようなのだけれどもやけに細長く地に届きそうな腕と、蜘蛛のような一対の腕が生えており、長さ1mほどの首に六本のうねる角の生えた頭がついている、という何とも不気味な姿でした。恐らく脚と背筋を伸ばせば10mを超えるでしょう。
すんっと澄んだ空気が
高い高い空へと昇っていった
秋ですね
ふんわりと吹く風は
ひんやりと心地のいい冷たさで
火照ったわたしの心を
静めてくれる
何処かに出掛けたくなった
秋が詰込まれた森を歩こうよ