グレートヒェンの軽く他人を馬鹿にするような物言いに、ナツィは思わずそっぽを向いた。
「…やな奴」
「何か言って?」
グレートヒェンは笑顔で首を傾げる。
だがナツィは黙りこくっていた。
「…ま、ここまで痕跡が見当たらないのはおかしいんだけどね」
立ち止まっていたグレートヒェンはまた歩き出す。
「人間が住んでる所には出現した痕跡があるのに、隠れていそうな森の中にはそれといった跡がない…まぁ、私が見つけられていないだけかもしれないけど」
「…痕跡が薄すぎて分からない、とか?」
そうかもしれないわね、とグレートヒェンはうなずく。
「その場に留まっている間に残る魔力がやけに少ないとか…もしかしたら、人工物の可能性もあるわね。魔力がその場に残りにくいモノは人工精霊ぐらいしかいない」
そう言い切ってグレートヒェンは立ち止まる。
「…見つからないわね」
森の中を探索し始めて幾ばくか、グレートヒェンはぽつりと呟いた。
近隣の村で精霊の目撃情報があったため、人気のない森の中に潜んでいると踏んで、彼女らは探し回っているのだが、痕跡すらまるで見つからない。
「…そっちは?」
グレートヒェンは振り向きざまに尋ねる。
「…なんにも」
使い魔”ナハツェ―ラー”ことナツィは真顔で答えた。
それを聞き、グレートヒェンはそう、と溜息をつく。
「…案外見つからないものね」
「は? 簡単に見つかるでも?」
ナツィに嘲るように言われたが、グレートヒェンは気にすることなく続ける。
「…別に、そんな風には思ってないわ。そんなだったら、私の元に依頼なんて来るハズがないし…そう言ってるお前はどうなのかしら。まさかずっと屋敷に閉じ込められていたから、感覚が鈍ってるってことはないでしょうね?」
しあわせ…
幸せってなんだろうか
美味しいご飯を食べること?
あったかい布団で寝ること?
大切な家族がいること?
笑いあえる親友がいること?
それ以外?
それら全部?
よくわからないけど
私は、幸せです
きっとあなたに届くはず
だって私が見てる空とあなたが見てる空は繋がってるから
・一人ぼっち ・苦笑い
『入学式』
・友達と ・爆笑
『卒業式』
あれから1年経った、と感傷に浸る今日この頃。
遠くで生きてるなんてわかってるから
私があなたの世界にいないのは知ってるから
あなたは安心して私を忘れてください
定期便の汽笛が
"サヨナラ"の合図なら
君の最後の嘆き声が
町中に響き渡るね
複雑に入り組んでた
僕の心の海岸線を
君はあの仕草や態度で
削ってくれたね
深い霧が出れば
愛を乗せた船は戻る
そんな望みは瓶に詰めて
蒼い海に流しましょう
白い波止場では
老人が釣りをしている
ウミネコが叫ぶ
それまでだった恋だと
僕のことは
髪の色さえ忘れても
磯の香り、潮騒の音は
忘れないでね…
僕のことは
髪の色さえ忘れても
磯の香り、潮騒の音は
忘れないでね…
暗さも黒さも全部内側に包んで隠しておいてあげるから。明るさで固めて輝いておくから。
心から思うことじゃなくても許してよ。
何も悪いことはしないから離れないでよ。
正しくなくても間違ってないことをするから。
嫌いにならないで?
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