ひとひら桜まうなかで
ひとりたたずむ人をみる
ひとえに広がるけしきに
ひどく無骨な二人は言う
おめでとう、ありがとう。
はやいわね、ほんとにな。
うそみたい、おれもだよ。
またあえる?わからない。
むりなのね、そうかもな。
おわかれよ、おわかれか。
ひとひらの桜おう相に
ひとすじの涙がつたう
ひとふさの言葉をつかみ
ひとこと君は投げかける
さようなら。またいつか、
深夜
月だけが賑やかな夜
人のすっかり途絶えた交差点
信号が忙しなく明滅する
その青は闇と同化した
一片の風が
喉元の熱を奪っていく
静けさがやはりけたたましく
僕は小さな歌を唇に携える
静けさの叫びを打ち消すように
小さく
深夜
月だけが賑やかな夜
かつて君だけがいた世界に
今は僕が一人きりで
知らない目的地へと歩いている
やっぱりこの夜はうるさいから
僕は歌うしかないみたいだ
不意に訪れる感情の波
その波に時に流され、時に抗い、時に溺れながらも波の中を歩いていく
波が冷たく気持ちいい日もあれば、大荒れの涙を流す時もある
波の終わりってどこにあるんだろう
今は辛いことしか見つけられない
それでも今日も、波の、中を、歩く
ずっと一緒だと思ってた
君がどこか遠くに行くなんて思わなかった
「私遠くへ行かなくちゃいけないの」
「でも大丈夫だよ」
だって私たちは
同じ空の下にいるから
片方しかない靴下みたいに
何処かに置いてきた
苦い思い出
届かない気持ち
後悔もある
泣きそうになる
何度も転んだり
傷ついたり
でも
自分のペースで
また歩み出せば
いつか
手を差し伸べてくれる
誰かが未来で待ってる
片っぽの気持ち
もう片っぽを見つける日まで
空を見上げよう
どうして
どうして
どうして神様は皆に平等じゃないの
一人になりたいのに
一人になれない
会いたいのに
会えない人がいる
自分の思いどうりにならないということは
もうわかってる
でも
どうしても
心がしずむ
どうして
家の近所の公園を歩いていく公園の桜が桜花爛漫に舞い散っていく空から雪が降ってるようだ桜が風に吹かれてひらひら空に飛んでいく誰かの思いを桜という雪の結晶が天に届けているのかなと考えてる私の横で公園ではしゃぐ子供の声明るく楽しい歌声は空高く広場を包み込んでいる
行って帰ってを繰り返す波
どんなに世界が変わっても
どんなに私が変わっても
波の動きは変わらない
だから私は波を見ると落ち着く
波はいつでも私たちを待ってる気がするんだ