季節外れの花火が
静かな空へうちあがる。
誰も家から出てこない。
夏の花火ははりきって
出てこい出てこいと
大きな音を。
季節外れの夏の花火が
静かな空へとうち上がり
いつもより音を鳴らしながら
ダレカでてきてと泣き叫ぶ。
少し珍しい春の花火は
誰も出てこない街を見下ろし
なにがあったのか考える。
とりあえず邪魔をしてはいけないと
誰にも気づかれずうちあがる
桜の花びらは音もなく散る。
ブランコをこぐ女の子
もっと高く
もっと高く
つぶやきながらこいでいく
もっともっと
たかくたかく
短いあしを一生懸命伸ばして
どこか遠くへ飛んで行ってしまった。
ある日の夜、電話がかかってきた。
『もしもし、私メリーさん。今、あなたの家の近くの墓地に居るの』
どうやら先日捨てた人形が化けて出たらしい。供養の仕方が足りなかったか。素直に神社に頼めばよかった。今更後悔しても仕方が無いので、包丁と電話を手に、壁を背にして次の電話を待った。
『もしもし、私メリーさん。今、あなたの家の前に居るの』
いよいよ来た。さあ、次の電話が来た、その瞬間が勝負どころだ。
『もしもし、私メリーさん』
しかし、壁を背にして陣取る自分に、負けは無かった。無いはずだった。しかし、
「今、あなたの、後ろに居るの」
その声は受話器ではなく、確かに自分の後ろから聞こえてきた。
咄嗟に前に跳びながら背後に向けて持っていた包丁で斬りつけた。何か硬いものに当たる感触があった。
そこには、壁を通り抜けるようにして、何か人の形をしたものの腕が突き出ていた。腕には、包丁が当たったと思われる場所に欠けたような傷跡が見える。あと少し長くそこに居たら、恐らくあれに掴まれ、想像もしたくないような恐ろしい目に遭っていたのだろう。
「もしもし私メリーさん。今、あなたの」
『それ』が再びあの台詞を吐きながら、こちらに進み出てきた。そして、
「後ろに居るの。」
そこで『それ』の姿が消え、声は背後すぐ近くに移った。これにも後ろに向けて斬りつけながら回避。『それ』はまた腕で防御したらしく、先程と同じ感触が腕に伝わった。
ラジオから声が聞こえる
表情(かお)は見えない
けどね、、
やっと分かった、
そこに居たんだね、
ここにあったんだね、
声と音楽と、みんなの想い、
見えないけど、見える。
大切な、大切な、わたしの場所。
今日は3人
人間辞職させた
そして明日は2人を汚して
4人を辞職させてやろう
今日はノルマ2人逃した
今日も僕は美しく堕ちて行くね
完成はもうすぐだ
ただいまを言えるほど
大層なひとじゃないことを
思い出したよ。
やっぱりぼくは
ここにいたかったんだ。
やっと気づいたよ、馬鹿みたいに。
小腹のすいた夜の帳が
パクついた満月は
ああ欠けちった、欠けちった
明日がくるなと願う男が
睨んだ三日月は
砕け散った、なくなった
灯りをなくした風来坊
拾った稲妻 小脇に抱えて
眠りについた街を見下ろし
君は艶やかに笑った
朝日が差し込むと同時に
黒いフードを被り
人混みに紛れて消えた
人に鎌突きつけて囁く
「ねぇ、まだこの世界で生きるの?」
機械仕掛けの街を見下ろし
君は無邪気に笑った
手に届く夢を追いかけ回る
彼らを嘲笑うように
目の前で閉まる電車の扉
人に鎌を突きつけて嘯く
「ねぇ、そろそろ諦めたら?」
それでも回る世界を見下し
君は口角をあげる
「ねぇ、ボクが滅ぼしてあげるよ」
嫌いの証明より好きの証明は遥かに難しい
嫌いな証明は1回もしくは数回で事足りる
好きの証明は一生付きまとうのだ
側に居続けることに理由なんか要らない
それは綺麗事だ
当人たちに理由が要らずとも周りに理由を求めて来る瞬間が訪れた時
その証明が出来なければ
意図せず関係を壊さなければいけなくなる
私たちの生活を究極的に支配しているのは
他人なのだ
もしあなたの最愛のヒトに対する感情を証明しなければならなくなったとしたら
どう証明しますか?
・・・・・
愛の証明はこの世で最も幸福な証明が不可能に近い
証明かもしれない
愛という誰かを幸せにするはずの感情は証明というフェーズに入ってしまった瞬間
綺麗なのに毒のトゲ塗れの花のようになってしまうから
誰も知らなかった新たな証明が出来たとしたら
世界もあなたもあなたの大切な誰かも
不幸から逃れた初めてのヒトになるかもしれませんね