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ノイズ

ごめんね
始めは信じてなかったんだ
アナタの声なんて これっぽっちも
でもさ、僕を汚した涙より
透き通っていたんだ

大人って泣けないんだよ、って
アナタが教えてくれたんだ
だから大人になった時のために
涙を残しておこうとしたけど
無駄でした

世界を知らない僕には
それはそれは大きすぎました
だからアナタの声に
必死に耳を澄ませたの

最低で最悪な夜を
弱々しくても否定したくて
アナタの隣に来たんだよ
ちょいとノイズがするけど

アナタの声の1秒前に
流していたはずの涙も
アナタの声の1秒後には
もう乾いていたんだよ
 

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卒業式で泣かないタイプの人間

①前だけを見ているタイプ
②後ろを振り返りたくないタイプ
③過去に思い入れなど無いタイプ
④どこかを見ているけれどどこかがよく分からないタイプ
⑤たかが卒業如きで変わることなど無いから泣く必要も無いタイプ

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頑張る

頑張って、と言われた
だから頑張った
頑張って頑張って頑張った
どんどん空回りしていった
狂いそうなほどに頑張った
何もできなかった

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです。

テスト週間に入った今日、教科書やノートを開いたままやる気にはなれなかった。
机に座って窓の外を眺めていると、先生が顔を覗き込んだ。
「うわぁ!びっくりした!」
『勉強、進まないのか?』
「やる気が出ないんだよね〜。」
『それなら、教えてやろうか?』
「1人よりはそっちのほうがいいかも。教えてくれる?」
『あぁ。もちろん。』

先生はノートにキレイな字を書いて説明をしてくれる。
時々色を使って、“自主勉ノート”のように完成させる。
『ここがこうなって。ここ、こうなる。わかるか?』
「わかるよ。先生の書き方わかりやすいから。このまま提出したら提出点貰えそう(笑)。」
『わかりやすいなら良かったが、提出はするなよ?私がやったとバレたら他の人にも教えなきゃいけなくなるだろう?』
「えっ?そっち??(笑)」
『どっちの「そっち?」だ?』
「これ、提出したらいけない理由が自分が面倒くさいからなのと、他の人にも教えなきゃいけなくなるっていうこと。 ん?どっちも一緒か??」
『教師として注意しない理由か?(笑)』
「そう、それ!!」
『別に自主勉強ならどうやろうが勝手だろう?私が教えたって自主勉強だ。』
「じゃあこのノート、先生に提出するよ!(笑)」
『私が私を採点する事になるじゃないか!(笑)』
「嘘、嘘(笑)このノートは秘密にしとく(笑)。」
『そうだな、二人だけの秘密だ(笑)。』
先生はニコッと笑い、立てた人差し指を口元に持ってくる。
私も真似して、人差し指を立てると先生が口を開いた。
『少しはやる気になったようで良かった。この時期のテストだ。留年するなよ?』
私は先生を見て、大きく頷いた。

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脳みその中のうそ

偽りのぼくの中に
横たわるきみなら
偽物でもいいだろ
語調強めちゃって
意地張ってやんの
やんなっちゃうな
泣き出しそうだよ

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なむなむ

話しながらいつの間にか、
行って戻ってきていた故郷。
お地蔵さまに手を合わせていた、
伸縮自在の時間が今。
懐かしい味のスープを一口。
乾いて固まった憧憬。
サボテンに水をあげていた、
きみの耳元で揺れるピラミッド。
なんてことはない。
宇宙風にさらわれ続けている。