出逢った以上別れるのは必然だけど
そんなものが無ければいいと思ってしまう
永遠が無いことぐらいとっくに知ってるけど
それを希わずにはいられない
別れが寂しいのは
その人が大切だったからだ、
その人を大切にできたからだと
そう思ったところで寂しさは消えないけど
割り切って新しい別れへの準備でも始めよう
裁縫機のかたかた
送り出された絹の雲が
ビロードの青に刺繍のごとく
幽霊屋敷とうたかた
そこら一帯止まった時間が
わたしの心情と重なりて
早う、早うと急かす世に
鼻緒の切れた足どりは
いつまでも少女のまま
3年前、わたしはあなたが好きでした
2つ年上のあなたは
わたしにはとても大人にみえて
それがとてもかっこよくて
とっても好きでした
あなたを好きなあまりに
4年付き合っていた人と別れたし
あなたを好きなあまりに
あなたに似た後輩が気になった
だけどあなたの卒業式の日
わたしはなにもできなかった
告白はなんて大それたことはできるはずもなく
思いきって話しかけることさえできずに
わたしと同じ制服を着て笑うあなたをみていた
わたしがみすぎていたのか
何度か目があったけれど
やっぱりなにもできなかった
あなたが卒業してからも
偶然に会うことはあって
このあいだも偶然に、そして久しぶりに
バスでみかけたあなたはもう成人のようで
やっぱりすてきにかっこよかった
今日
あなたはまた卒業したのでしょうか
わたしの住む街から出て行くのでしょうか
思えばあなたは
わたしが好きになった最後の人で
3年前、わたしはあなたが好きでした
「恋してる」と言った
「"リアル"では恋してないよ」と言った
「恋」って何????
すきってなんだ?
恋ってなんだ?
愛ってなんだ?
付き合うってなんだ?
すきってなんだ?
たとえどんなに高価な切手を貼っても届かないんだよね
私から貴方へ送る手紙
好きでもきらいでもなかった向日葵が思い出を抱えて俯く。あとは視界に入ったつま先の方向へ走っていけばいい。夏の生まれ変わりを信じて、その指輪もピアスも外して。もうあなたの瞳は深く澄んでいる。野暮なことは、訊かないから。屋根から落ちる雨。次の、つぎの雫が、跳ねたら。