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ふたりぼっち

机の隅っこに
ちっちゃな落書き
誰かに気付かれないかな
誰にも見つけてもらえないかな
さみしそうなライオンさん
ひとりぼっちはつまんないね

「僕とお友だちにならない?」

夕日がまぶしい教室の片隅で
君と僕、二人だけの秘密の約束

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処方箋

とっておきのおまじない 私だけのお守り
あの世に全部持っていけるなら 持って逝きたい 切符もお忘れなく
死に花を踏み潰されても これがあればきっと大丈夫
生きるのも死ぬのも同じこと

病室から病気のまま飛び出して 直す気もない睡眠障害も連れて
ようやく眠れるようになっても 大人しく眠る気は毛頭ないのよ

嗚呼 誰かこの私にお似合いな処方箋を!
甲乙丙丁並べるだけならば 誰でもできるでしょう?

用意しておいたこの呪文 俺だけの鎮魂歌
この世に何も置いて逝きたくない パスポートなら 何処でも置いてる
死に花は咲かないだろう 花はいらないから金をくれよ
起きるのも眠るのも同じこと

病床から病みが零れ落ちてきて 泣く気もない血も通わない夜で
やっと苦し紛れに言い訳できた だが実を言うなら信じたくない

嗚呼 誰かこの俺にぴったりな処方箋をくれ
くだらない御託はいらないさ いっそ毒でも盛ってくれ

喜びも怒りも哀しみも楽しみも さんざん喰べ尽くしたんだ
ただひとつある特定の種類の悦びをのぞいて お腹いっぱい

あらあなたも同じ駅へ? なら地獄の果てまでご一緒します
それとも新天地を探しにいきましょうか? それも悪くない

書きかけた処方箋 誰のものでも無くなった処方箋 ただの紙切れ
大層なことは書かれてないことはわかっているから はやく燃やせ

おかしいな 飲み込めない薬の名前ばかり なんの役にも立たない
悪魔に揺さぶられながら 堕ちていこうか どうせ何にもならない

手のひらから 処方箋が堕ちて行く 奈落の先の そのさらに奥で
同じように生きていこう 処方箋を持ってても捨てても同じことさ

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異様

私が刺したはずの私...。

お前は、誰だ。

気づけば赤く輝く瞳へ、餞をあげよう。

私は私が裁く。

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愛とか恋とか言えないのに

君は自分を優しさで潰して欲しくないんだ。
本気だよ。
私が君を好きで
君と少しでも幸せに迷いたいと思って
君は私を好きで
私と少しでも幸せに迷いたいと思ってくれるのかな
一生寄り添えなくても少しでも想いが同じなら
運命だよ、充分
だからちょっとでも通じ合えます様に、
我儘に言えば、出来るだけ長く迷いたいのです。
言えない大好きだとか愛してるだとか言ってみたいのです。

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独り言


誰にも言えない気持ち


でも誰かに分かってもらいたい


そう上手くはいかない

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花乙女

最後に咲いた花の名前を。

いつか救いとってね。

マスター。

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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

『髪の毛、くるくるしてどうかしたか?』
髪をくるくるしながら触っていると先生が、心配そうに声をかけた。
「おっ!先生。なんで?」
『今までに、見たことが無い手癖だなと思って。』
「先生、よく見てるね〜(笑)。」
『そりゃそうさ。何かあったのか?』
先生は私の隣に座る。

「先生は髪の色、どう思う?」
『髪の色?』
「うん、そう。先生はキレイな黒髪でしょ?」
私は先生を見上げる。

『あぁ、そうだな。キレイかは置いといて黒髪だ。』
「私はね、自分黒髪だと思ってるんだけど、結構茶髪でさ。髪の毛染めたんじゃないかって言われたの。」
私がそう言うと、先生は私の髪をすくって太陽にかざす。
「先生?」
『太陽にかざすと茶色。陽が当たってないときにはちゃんと黒髪も混じってる。』
そう言うと先生は私の頭をポンポンした。

「先生はどう思う?地毛が茶髪なのに、地毛の人が地毛登録しなきゃいけないの。」
『私はもっと、生きやすい社会になればいいと思うよ。ハーフでも外国人でもなんでも。髪の色、肌の色、そんなものを気にしなくていい世の中になればいいと思う。もし学校が、染める事を駄目だと言うのなら、染めた人に罰則を与えるべきだと思ってる。』
「だよね(笑)。」
私は静かにニコッと笑う。

『ただ、これもまた倫理だ。自分の事を捨ててはいけないが、世間様と同じようにしなければならない。』
「わかってるよ(笑)。だから私も地毛登録出したんだもん。」
そう言った私を見て、先生は頭をなでる。
『偉いな。私は、君が髪を染めていない事なんてとっくの昔から知っている。』
「ありがとう、先生。私の髪の色、認めてくれて。」
『最初に言っただろう?私は君の事をよく見ている(笑)。』
先生は優しく、でも悪戯っ子のように笑った。

私は先生に笑顔を返し、太陽に手をかざした。