遠足の準備をするため、部屋にこもっているとノック音が聞こえた。
「は〜い!」
返事をすると先生が顔を出す。
『入ってもいいか?』
「お〜、先生。いいよ〜!」
『何してるんだ?』
「3日後?の遠足の準備(笑)。」
『ちょっと早すぎないか(笑)?』
「うん、だいぶ早いよね(笑)。…あれ、珍しくアルいないんだね。」
『寂しいか?』
「全然。あっ、失礼か(笑)。寂しくないというか、最近は先生と二人きりで話せなかったから良かった(笑)。」
先生は投げてあった雨具を取って渡す。
『雨、降らないといいな。』
「うん、そだね。先生は?遠足来るの?」
『あぁ。生徒監視役だな(笑)。』
先生は笑うと、今度はレジャーシートとカメラを取る。
「さぁ、準備完璧だと思うな〜!」
私はリュックのファスナーを閉める。
『何かあったら、私には言えよ?』
「ん。わかってるよ(笑)!!」
『じゃあ、いつものとこ行くか?』
「うん!あっ、その前に、先生も何かあったら言ってね?」
私達は新たに二人で約束をした。
いつもの窓辺に行くと、アルが座っていたので後ろから驚かせる。
先生はそんな私達を見て遠くから笑って眺めていた。
私は先生の横に立つと手を引いて、アルの座る窓辺へと走った。
僕が凸で、君が凹
僕が男で、君が女
それが普通で、通常で
○か×なら、多分○の方だろう
でも、それも不思議な話
僕が△で、君が☆くらいに
噛み合わないくらいが丁度いい
いっそ僕は火星人で、君は木星人
それくらいが丁度いい
あの夜は決して綺麗では無かった。
君がいた。
同じ環境に置かれた。
共通点があった。
優しさを知った。
少しずつ夜が明けた。
期待した。
また夕方になった。
独りよがりの想いで止まった5時のチャイム。
昼に、朝に、戻るか。
夜は寝てしまおうとするの。
「君は何重なの」
「わかんない、多いよ。」
私が三重くらいなのは君とこうやって話すため
今は私の瞼を見せながら君の瞳を見て居たい
この瞳を見せる相手なんてこれからも沢山いるけど
君から話してくれるきっかけは宝物だもの
雑な扱いは出来ないわ
これからも貴方が定期的に私の瞼を見てくれればいいのにね。いつか私の瞳を見て欲しいって
我儘だけどね。
私の世界に入ってきた
いやじゃなかった
そっと
変わり始めていたんだ
あなたがいた
何も違わなかった
あの主人公と
でもひとつだけ
違ったんだ
私とあなたは
平行だった
私があなたの
反対だったら
でもそれはいやだった
私もあなたと
同じ側がよかった
この気持ちは
違わなかった
『世界』の人は
『特別』にしたがった
それならいっそ
貴女と私
2人だけの世界で
「え~、卒業制作なんやけど、門の前の花壇あるやろ?あそこにつける柵を作ってもらおうと思います。もう既に卒業制作の係は決まってるんやけど、その人たちには木を切ってもらって形を整えてもらいます。ある程度ペンキみたいなので塗ってもらって他の人たちの分が余るまでできたら後は君たちに塗ってもらいます。普通に小っちゃいやつやから授業内に終わると思います」
卒業制作か…。そういえば私係だな。頑張らなきゃ。コウも一緒だけどできるのかな。
「じゃあ、それを含めて連絡します」
今からかい。
「卒業制作は明日早速朝8時に美術室に集合。筆記用具を持っていけばいいと思う。送る会の係はー」
朝8時だったらいつも通り来れば大丈夫だな。
「みっちゃん、私8時なんて無理だよ~。お腹が痛いとか何とか言っててくれない?」
「ダメ」
そう。コウはいつも本鈴の30秒前に来る。絶対無理だな。
「何で~」
「もし言ったとしても絶対信じてくれへんよ」
「分かった」
おっ。早っ。おっ?
「頑張る。早起きする」
「…ん?そんな簡単にできるの?」
「うん。明日、見ててみ」
幾重にもつらなる
チューリップの波間に
あの人を思い出した私は
一年前のように
電話をかけなかった
この身をさらさなければ
得られないと思ってた
だけども今
心は穏やかなまま
暗闇の中、光らない石を探せる
頬で感じる
つめたいようなぬるい風
目を閉じたままのピンク色
小さな声のことばは
未だ聴こえない